広報は、目的設定から効果測定までの5ステップで進めるのが基本です。さらに、広報と相互に補完し合うオンライン施策(マスメディア向け広報・AIO・SEO・SNS)を組み合わせると、認知の広がり方が大きく変わります。広告と違って媒体費がかからないうえ、積み上げた認知と信頼はブランド戦略の土台にもなります。
メディアにツテがなくても、メディア露出は可能です。実際に、メグダイでは、広告費ゼロ、プレスリリースと配信方法の工夫によってテレビなどのメディアに掲載実績を多数作りました。この記事では、その実績を支えたテクニックもあわせて紹介します。
▼本記事でわかること
- 広報と相互補完するオンライン4施策の選び方
- ゼロから始める広報の5ステップ
- ツテなしでテレビ・新聞の取材を獲得する方法
目次
認知を広げるオンライン施策|広報・SEO・AIO・SNSの関係
広報を考えるとき、あわせて押さえたいのが認知を広げるオンライン施策です。広報・SEO・AIO・SNSは役割こそ違うものの、互いに補完し合う関係にあります。
広報とオンライン施策の全体像|オフラインも含めて整理
認知獲得の手段には、対面で行うオフライン施策と、Webを通じて行うオンライン施策があります。記者会見や展示会などのオフライン施策は会場や人手の確保が前提になるため、はじめて取り組む会社にはハードルが高めです。
そこで本記事では、少人数でも場所を選ばず取り組めるオンライン施策をピックアップして解説します。テレビ・新聞へのアプローチも、現在はプレスリリースのオンライン配信が起点になるため対象に含めました。
▼認知獲得の手段の全体像
| 区分 | 主な手段 |
| オフライン施策 | 記者会見・プレスイベント、展示会・セミナー、紙の広報誌、地域活動 |
| オンライン施策(本記事で解説) | プレスリリース配信によるマスメディア向け広報、AIO、SEO、SNS |
まずはオンラインから着手!
オンライン4施策の比較早見表|相互に補完し合う関係
本記事で解説するオンライン施策は、マスメディア向け広報・AIO・SEO・SNSの4つです。このうち広報は第三者であるメディアに報道してもらう活動、SEO・AIOは自社サイトを検索エンジンやAIに最適化して見込み客を集める施策、SNSは自社で発信してファンを増やす施策と、主体も役割も異なります。
ただし、広報で得たメディア掲載がSEOやAIOの引用元になり、検索やAIで見つけた人がSNSでファンになるというように、互いの効果を高め合う関係にあります。どれか1つに絞らず、自社の目的に合わせて組み合わせるのが基本です。まずは下の表で違いをつかんでください。
▼オンライン4施策の比較
| 施策 | 発信の主体 | 主な発信先 | 強み | 向いているケース |
| マスメディア向け広報 | メディア(第三者) | テレビ・新聞・雑誌・Webニュース | 報道による高い信頼性と一気の認知拡大 | 商品力はあるが知名度が低い企業 |
| AIO | 自社 | ChatGPTなどの生成AI | AIの回答に自社情報が引用される | 新しい顧客接点を先取りしたい企業 |
| SEO | 自社 | Googleなどの検索エンジン | 課題を調べる見込み客と継続的に出会える | 問い合わせや資料請求を増やしたい企業 |
| SNS | 自社 | X・Instagramなど | 共感と拡散でファンを増やせる | 日常的に発信できる担当者がいる企業 |
組み合わせて相乗効果を狙う!
マスメディア向け広報|テレビ・新聞で信頼を獲得
マスメディア向け広報は、プレスリリースなどを通じてテレビ・新聞・雑誌に自社を取り上げてもらう手法です。広告枠の購入とは異なり、記事や番組として第三者の立場から紹介されるため、視聴者や読者の信頼を得やすい点が最大の強みといえます。1回の露出で商圏を越えて認知が広がり、掲載実績そのものが会社の信用力にもなります。
報道の信頼は広告で買えない!
AIO|AI検索に自社情報を載せて広報を補完する
AIO(AI Optimization)とは、ChatGPTなどの生成AIが回答を作る際に、自社の情報を引用・言及してもらうための取り組みです。総務省の調査では、生成AIサービスを使った経験のある個人は2024年度で26.7%と、前年度の9.1%から大きく伸びています。
AIの引用元にはプレスリリースや公式サイトの正確な情報が使われやすいため、広報と並行して取り組むほど互いの効果を高め合えます。メグダイでも自社メディアでAIOに取り組み、AI検索の回答に情報が表示される実績を作っています。
AI時代の新しい接点をつかむ!
SEO|検索流入で見込み客との接点を作る
SEOは、自社サイトの記事を検索結果の上位に表示させ、課題を調べている見込み客に見つけてもらう施策です。広告のように掲載をやめた瞬間に消えるものではなく、一度上位に入った記事は資産として流入を生み続けます。
広報で得たメディア掲載や被リンクは検索評価を後押しするため、広報とあわせて取り組むと相乗効果が生まれます。実際に、メグダイの自社メディア「マーケ畑」も、SEOによって多くの記事を検索上位に表示させています。
記事は24時間働く営業マン!
SNS発信|共感と拡散で認知を広げる
SNSは、XやInstagramなどで自社の日常や開発の裏側を発信し、共感を通じてファンを増やす施策です。総務省の調査によると、インターネットの利用目的では「SNSの利用」が82.3%と最も高く、幅広い世代に情報を届けられる土壌が整っています。
媒体ごとに利用者層と相性の良い内容が異なるため、自社の顧客が集まる場所を選んで始めましょう。
▼主なSNSと発信の方向性
- X:速報性が高く、新商品やイベントの告知に向く
- Instagram:写真や動画で商品・店舗の世界観を伝えられる
- YouTube・TikTok:製造工程や使い方を動画で見せられる
顧客がいるSNSを選ぼう!
広報の始め方5ステップ|担当者がやることを順に解説
担当者が何をするのか迷わないよう、広報の始め方を5つのステップに整理しました。順番どおりに進めれば兼任でも形にしやすくなります。
STEP1|広報の目的とKPIを決める
最初にやることは、広報で何を実現したいのかを言葉にする作業です。目的が曖昧なまま発信を始めると、ネタ選びも効果の判断もぶれてしまい、活動が長続きしません。
目的に合わせてKPI(達成度を測る数値目標)も決めておくと、後の改善がしやすくなります。KPIの具体的な決め方はマーケティングKPIの設定手順と指標例で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
▼KPIの例
- メディア掲載件数・プレスリリースの配信本数
- 自社サイトへのアクセス数・指名検索数
- SNSのフォロワー数・問い合わせ件数
目的が決まればぶれない!
STEP2|自社の強みとネタを棚卸しする
次に、自社の何を世の中に伝えるのか、強みと発信のネタを書き出します。社内では当たり前になっている技術や創業の歴史が、外から見ると立派なニュースになるケースは珍しくありません。
強みの整理はブランディングでやるべき事とも重なる工程で、ここを丁寧に行うほど後の発信が楽になります。
▼ネタになりやすい題材
- 新商品・新サービスや既存商品のリニューアル
- 自社調査のデータや社会課題への取り組み
- 経営者や職人の人物ストーリー
当たり前の中にネタがある!
STEP3|届けたい相手と手法を選ぶ
ネタがそろったら、誰に届けたいかを決め、先ほどの広報・AIO・SEO・SNSから組み合わせを選びます。経営者向けの商材なら新聞やSEO、若い消費者向けならSNSというように、相手の情報行動から逆算するのが選び方の基本です。
最初からすべてに手を出すと兼任では回らなくなるため、1〜2種類に絞ってスタートしましょう。
相手から逆算して選ぼう!
STEP4|年間計画を立てて発信を始める
手法が決まったら、いつ何を発信するかを年間カレンダーに落とし込みます。新商品の発売や創業の周年、季節の話題など、ニュースにしやすいタイミングを先に押さえておくと、ネタ切れと配信の遅れを防げるからです。
完璧な計画を待つより、まず1本目のプレスリリースや記事を世に出すことを優先してください。
まず1本出してみよう!
STEP5|効果測定と改善をくり返す
発信したら、STEP1で決めたKPIに沿って結果を振り返ります。広報は1回で成果が出る活動ではなく、データを見ながら切り口や配信先を変えていく改善の積み重ねで精度が上がるものです。
測定の手間を惜しむと、何が効いたのかわからないまま労力だけが消えていきます。
▼測定でチェックする項目
- 掲載・紹介されたメディアの数と内容
- 掲載前後のアクセス数や問い合わせ数の変化
- 検索やSNSでの自社名の言及数
数字を見れば次が見える!
マスメディア向け広報のやり方|取材獲得までの実践手順
4つのオンライン施策のなかでも難しそうに見えるマスメディア向け広報について、プレスリリース作成から記者対応までを順を追って解説します。
プレスリリースのやり方|基本構成と書き方
プレスリリースは、A4用紙1〜2枚に発表内容をまとめた、報道機関に向けた資料です。記者は毎日大量のリリースに目を通すため、タイトルと1枚目だけで内容が伝わる構成に整えられるかが採用率を左右します。
宣伝文句を並べるのではなく、事実と数字で淡々と伝えるのが基本です。
▼基本の構成要素
- タイトル:何のニュースかが一読でわかる一文
- リード文:いつ・誰が・何を・なぜの要約
- 本文:背景・詳細・代表者のコメント
- 画像:商品や現場が伝わる写真1〜2枚
- 会社概要と問い合わせ先
1枚目で勝負が決まる!
配信方法は4つ|ツテがなくても届けられる
書き上げたプレスリリースを届ける方法は、自社リストへの直接送付や配信サービスの利用など4つあります。メディアに知り合いがいなくても届ける手段は確立されており、実際に配信サービスのPR TIMESは2024年時点で利用企業が10万社、累計のプレスリリース件数は200万件に達しました。
ネタとの相性や予算に応じて使い分けましょう。
▼プレスリリース4つの配信方法
| 方法 | 特徴 |
| 自社メディアリストへの送付 | メールや郵送で狙った記者に直接届く。リスト作りに手間がかかる |
| 配信サービスの利用 | 多数のメディアへ一斉配信でき、ツテゼロでも始めやすい(有料) |
| 記者クラブへの投げ込み | 新聞・テレビの記者が集まる拠点に持ち込む。地域ニュースと相性が良い |
| 自社サイト・SNSでの公開 | 媒体費がかからず、検索やAIの引用元にもなる |
※出典:株式会社PR TIMES「PR TIMES、利用企業10万社に到達。累計プレスリリース数は200万件を突破」
ツテゼロでも道はある!
ネタの作り方は知名度の有無で変わる
ネタの作り方を考えるうえで最初に確認したいのは、自社がどれだけ知られているかという点です。社名や商品名がすでに知られている会社なら、新商品や新サービスのニュースをストレートに伝えるだけでも記事になります。
一方、まだ知られていない会社の場合、事実を並べただけの発表は素通りされやすいのが現実です。だからこそ、次で紹介する9つのメディアフックと6つの感情を武器に、企画を面白く作り込んでいきましょう。
知名度で戦い方を変えよう!
メディアが反応する9つのフックを意識する
企画を面白くする際の型になるのが、配信サービスを運営するPR TIMESが提唱する、時流・季節性や意外性など9つの要素からなる「メディアフック」です。メディアフックとは、記者が「ニュースとして取り上げたい」と感じる情報の引き金を指します。
自社のネタに以下の要素をいくつ掛け合わせられるかを考えてみると、企画の切り口が見つけやすくなるはずです。
▼9つのメディアフック
| フック | 内容の例 |
| 時流・季節性 | 季節のイベントや社会の動きに合わせて発信する |
| 画像・映像 | 一目で伝わる印象的なビジュアルを用意する |
| 逆説・対立 | 常識への反論や対決の構図で興味を引く |
| 地域性 | 「〇〇県初」など地域に密着した切り口にする |
| 話題性 | 流行中の事柄やコラボと連動させる |
| 社会性・公益性 | 社会課題の解決と結びつけて伝える |
| 新規性・独自性 | 初めての試みや独自の技術を打ち出す |
| 最上級・希少性 | 日本初・限定〇個など数字で価値を示す |
| 意外性 | 「まさか」という驚きのギャップを作る |
※出典:株式会社PR TIMES「メディアフックとは?要素・プレスリリースで興味を引く引き金の作り方や、コツを徹底解説」
フックの掛け合わせが企画力!
6つの感情を刺激する企画は拡散されやすい
フックと並ぶもう1つの視点が、読み手の感情です。喜び・悲しみ・恐怖や不安・嫌悪・驚き・怒りという6つの感情のいずれかを動かす情報は共感を呼びやすく、記事化やSNSでの拡散につながりやすいとされています。
ネタを企画する段階で「読んだ人がどんな気持ちになるか」まで想定し、不安を扱うなら解決策をセットで示すというように、感情に寄り添う形へ仕上げましょう。
▼刺激したい6つの感情
- 喜び:うれしい・楽しいと感じさせる
- 悲しみ:共感ややさしさを誘う
- 恐怖・不安:問題提起と解決策の提示に活用する
- 嫌悪:社会問題への関心を呼び起こす
- 驚き:意外性でインパクトを与える
- 怒り:理不尽への共感から行動を促す
※出典:株式会社PR TIMES「メディアフックとは?要素・プレスリリースで興味を引く引き金の作り方や、コツを徹底解説」
感情が動けば話題も動く!
取材依頼への対応と記者との関係づくり
配信後に取材の連絡が入ったら、できるだけ早く返信し、希望日程に柔軟に応じるのが鉄則です。テレビや新聞は動きが速く、返事が半日遅れただけで掲載の機会を逃す場合もあります。
一度つながった記者には新しい情報を継続的に提供し、「あの会社に聞けばネタがある」と思われる関係を育てていきましょう。
返信の速さも実力のうち!
ここまでの手順を踏めば、ツテがなくてもマスメディアへの挑戦は十分に可能です。初めて取り組む場合、手探りで実績を作ろうとしてリソースがムダになるというクライアントも多く見てきました。
メグダイのメグサポは、メディア掲載を実現してきた広報施策の実績をもとに、プレスリリース作成からメディアへのアプローチまで伴走する支援サービスです。
広報で成果を出す体制づくり|プロ活用と内製化の進め方
やり方がわかっても、続ける体制がなければ成果は出ません。リソースの限られた会社が広報を軌道に乗せる現実的な進め方を紹介します。
広報は専任ゼロ・兼任体制でも始められる
広報は専任の部署がなくても、経営者や営業・総務との兼任で始められる活動です。カギは人数ではなく、月に何時間を広報に充てるかを先に決めて、小さく発信を続ける仕組みを作ることにあります。
規模の小さい会社ほどトップの顔が見えやすく、経営者の言葉がそのままニュースの素材になるという強みもあります。
兼任でも今日から動ける!
▼関連記事:中小企業が実践すべきマーケティングのやり方|低予算で最大効果を生む戦略的アプローチ
立ち上げ期はプロの伴走支援を活用する
ゼロから手探りで進めるより、立ち上げ期だけでも広報のプロに伴走してもらう方が近道になる場合があります。リリースの書き方やメディアの選び方には経験で培われる勘所があり、独学では遠回りになりやすい領域だからです。
外部に丸投げするのではなく、プロの動きを社内で観察しながら一緒に手を動かせば、支援費用はそのまま社員教育への投資に変わります。
プロの背中から技を盗もう!
メグダイのメグサポは、広報施策とSEO施策をワンストップで支援し、ノウハウを共有しながら伴走するサービスです。メグダイ自身もテレビ番組での紹介をはじめ多くのメディア掲載実績を重ねてきており、その現場で培ったノウハウをそのまま支援に活かせます。
自社で運用できる状態をゴールに据えているため、内製化を目指す企業と相性の良い選択肢といえます。
ノウハウを蓄積して段階的に内製化する手順
プロ活用の目的は外部への依存ではなく、ノウハウを自社に移して段階的に内製化することにあります。支援を受けながらリリースのひな形やメディアリスト、判断基準を文書として残せば、契約が終わった後も自走できる体制が手元に残るからです。
立ち上げ期から内製期まで、3つのフェーズを意識して進めると移行がスムーズになります。
▼内製化までの3フェーズ
| フェーズ | 体制 | ゴール |
| 第1フェーズ(立ち上げ期) | プロ主導+社内担当が同席 | 初回の配信とメディア掲載の実現 |
| 第2フェーズ(移行期) | 社内主導+プロが添削・助言 | リリース作成と配信を自社で完結 |
| 第3フェーズ(内製期) | 社内のみで運用 | 計画・発信・効果測定まで自走 |
ゴールは自走できる広報!
よくある質問|広報のやり方で迷いやすいポイント
広告ではなく広報に取り組む意味はありますか?
あります。広告は費用をかけた分だけ露出を買う手法ですが、広報はメディアという第三者の報道を通じて信頼を積み上げる活動です。
掲載自体に媒体費がかからず、報道された事実が会社の信用として残るため、広告予算の少ない会社ほど取り組む価値があります。
広報活動にかかる費用はどれくらいですか?
やり方しだいで大きく変わります。自社サイトやSNSでの発信、記者クラブへの持ち込みは実費がほとんどかからず、プレスリリースの配信サービスや外部の支援会社を使う場合は有料です。
まずは費用のかからない発信から始め、成果に応じて投資を広げる進め方なら無理がありません。
広報担当者にはどんな人が向いていますか?
自社の事業が好きで、社内外の人と臆せず話せる人が向いています。文章力よりも、現場からネタを拾ってくる好奇心と、断られてもめげずに発信を続けられる粘り強さの方が成果に直結するからです。
未経験でも、プロの支援を受けながら実践すれば十分に育つ役割といえます。
まとめ|広報は小さく始めてノウハウを蓄積しよう
広報は、自社に合うオンライン施策を選び、5つのステップで小さく始めて改善を重ねていく活動です。
▼この記事のまとめ
- 広報と相互に補完するオンライン施策(マスメディア向け広報・AIO・SEO・SNS)を目的に応じて組み合わせる
- 始め方は目的設定から効果測定までの5ステップで進める
- ツテがなくてもプレスリリースと配信方法の工夫でメディア掲載は狙える
最初の一歩を確実に成果へつなげたいなら、広報施策とSEO施策に強いプロの伴走でノウハウを蓄積し、徐々に内製化していくのが堅実な道筋です。メグサポの支援内容は下記からご確認ください。