マーケティングKPIは、KGIから逆算して作り、自社の粗利構造に合った設計に落とし込みます。同じKPIでも、扱うプロダクトの粗利率や営業組織の規模によって、設定すべき指標も達成の打ち手も変わります。
たとえば粗利率の高い商品と低い商品では、1人あたりが生む粗利も、重視すべきKPIも異なります。これからKPIを設定するなら、この違いを踏まえて自社に合う形を選ぶことが成果への近道です。効果測定から逆算したマーケティングのやり方全体を押さえておくと、KPI設定の道筋も描きやすくなります。
▼本記事でわかること
- KGIから逆算するマーケティングKPIの作り方
- 設定したKPIを達成するための進め方
- 粗利構造によって変わるKPI達成のアプローチ
本記事では、KPIの作り方から達成の進め方、そして自社の粗利構造に合わせた集客設計までを一気通貫で解説します。
1社ずつ異なる、成果につながりやすいKPIの設定を豊富な実績からお手伝いします。
マーケティングKPIの作り方|KGIから逆算する手順
マーケティングKPIは闇雲に設定するのではなく、最終目標から逆算して組み立てなければ、成果から遠ざかってしまいます。
ここでは、KGIの数値化からSMARTの法則を使った目標設定まで、3つの手順で作り方を解説します。
KGIを具体的な数値で定義する
KPI設計の第一歩は、KGI(最終目標)を具体的な数値で定めることです。
「売上を伸ばしたい」という曖昧な目標ではなく、「年間売上1億円」「四半期で受注件数15件」のように定量化します。KPIはこうしたゴールから逆算して設計する指標であり、Webサイトや広告など複数の施策を測る指標群の一部でもあります。Webマーケティングの全体像を把握しておくと、どの施策にどの指標を割り当てるべきかが整理しやすくなります。
KGIが曖昧なままだと、KPIの方向性もぶれてしまい、最終的な成果から遠ざかってしまいます。
KPIツリーで指標を分解する
KGIを定義したら、KPIツリーを使って目標を構成要素に分解していきます。
KPIツリーとは、KGIを頂点として達成に必要なKPIをツリー状に整理した図のことです。たとえば「受注件数60件」というKGIは、次のように分解できます。
▼KPIツリーの分解例
リード獲得数2,500件 → 商談数500件 → 案件化数200件 → 受注件数60件(KGI)
商談化率20%、案件化率40%、受注率30%といった自社の実績データをもとに逆算することで、各プロセスで達成すべき数値が明確になります。たとえばリード獲得数をKPIに置くなら、その手前には、流入を生む「検索流入数」や「検索順位」といったSEOの指標も置く必要があるでしょう。ゴールから逆算することで、抜け漏れのないKPI設定につながります。
SMARTの法則で数値目標に落とす
KPIの数値目標を設定する際は、SMARTの法則に沿って検証することが効果的です。
SMARTとは、目標設定に必要な5つの要素の頭文字を取ったフレームワークを指します。
| 要素 | 意味 | チェックポイント |
| S(Specific) | 具体的 | 誰が見ても明確な目標か |
| M(Measurable) | 測定可能 | 数値で進捗を測れるか |
| A(Achievable) | 達成可能 | 現実的にチャレンジできる範囲か |
| R(Relevant) | 関連性 | KGIや事業目標と連動しているか |
| T(Time-bound) | 期限明確 | 達成期限が設定されているか |
「リード獲得数を増やす」ではなく「3か月後までに月間リード獲得数を300件にする」というように、SMARTを満たした目標に落とし込みます。SEOを起点にするなら「半年で検索流入数を月5,000に」といった形です。なかでもR(関連性)は重要で、KGIと連動しない指標を置くと、数字を追ってもゴールに近づかないため注意が必要です。
マーケティングでよく使う代表的なKPI
KPIは施策のフェーズによって追うべき指標が変わるため、代表的なKPIをフェーズ別に押さえておくと設定がスムーズになります。
ここでは、認知拡大・リード獲得・売上の3つのフェーズごとに、よく使われる代表的なKPIを紹介します。
認知拡大フェーズの代表的なKPI
認知拡大フェーズでは、自社の商品やサービスを多くのターゲットに知ってもらうことが目的です。
このフェーズでは、接点の「量」を測る指標を代表的なKPIとして設定します。先ほど触れた検索流入数や検索順位も、この認知段階を支える代表的なSEOのKPIにあたります。
| 代表的なKPI | 概要 |
| PV数 | Webサイトのページ閲覧回数 |
| UU数 | サイトを訪問したユニークユーザー数 |
| インプレッション数 | 広告やコンテンツが表示された回数 |
| 検索流入数 | 検索エンジン経由の訪問数 |
| 検索順位 | 狙ったキーワードでの検索結果順位 |
| SNSフォロワー数 | 各SNSアカウントのフォロワー数 |
リード獲得フェーズの代表的なKPI
リード獲得フェーズでは、見込み顧客の情報を取得し、営業活動につなげることが目的です。
認知から一歩進み、具体的なアクションを測る指標を代表的なKPIとして設定します。
| 代表的なKPI | 概要 |
| CV数 | 資料請求・問い合わせなどの獲得件数 |
| CVR | 訪問者数に対するコンバージョン率 |
| リード獲得数 | 獲得した見込み顧客の総数 |
| CPL | リード1件あたりの獲得コスト |
| MQL数 | マーケティング部門が認定した有望リード数 |
| メルマガ登録数 | メールマガジンの新規登録者数 |
売上・受注フェーズの代表的なKPI
売上・受注フェーズでは、リードを商談・受注へつなげ、最終的な売上に貢献することが目的です。
営業活動との連携を意識した指標を代表的なKPIとして設定します。
| 代表的なKPI | 概要 |
| 商談数 | 営業が実施した商談の件数 |
| 商談化率 | リードから商談に至った割合 |
| SQL数 | 営業部門が認定した有望リード数 |
| 受注率 | 案件から受注に至った割合 |
| CAC | 顧客1件あたりの獲得コスト |
| LTV | 顧客生涯価値 |
これらの指標は、とくに成約までのリードタイムが長いBtoBマーケティングで重視されます。受注だけでなく商談数や商談化率といった手前の指標も追うことで、判断のスピードと精度を両立できるでしょう。
設定したKPIを達成するための進め方
KPIは作って終わりではなく、達成に向けて運用する仕組みがあって初めて成果につながります。
ここでは、先行指標のモニタリングから営業連携まで、KPIを達成へ近づける3つの進め方を解説します。
先行指標を見極めてモニタリングする
KPIを達成するには、結果が出てからでは動けない結果指標だけでなく、先行指標を見極めて追うことが重要です。
受注件数や売上は結果指標であり、数字が判明した時点では打ち手が後手に回ります。一方、リード獲得数や商談化率といった先行指標は、結果が出る前の段階で異常を察知できます。先行指標を週次や月次でモニタリングすることで、目標未達のサインを早期に捉えて改善に動けるようになります。
指標を絞って改善サイクルを回す
追いかけるKPIは重要なものに絞り、PDCAサイクルで継続的に改善することが達成への近道です。
KPIの数が多すぎると管理が煩雑になり、どの指標に注力すべきか焦点がぼやけてしまいます。重要な指標を4〜5個程度に絞ったうえで、Plan(目標設定)・Do(施策実行)・Check(達成度評価)・Act(改善)のサイクルを回します。このサイクルを高速で回すほど、施策の精度が高まり目標達成に近づきます。
営業と共通指標で連携する
マーケティングKPIは、営業部門と共通認識を持てる指標を設定することで達成しやすくなります。
マーケティングがリード数だけを追い、営業が受注だけを追う状態では、引き渡し以降のプロセスが分断され成果から遠ざかってしまいます。商談数・商談化率・SQL数といった指標を両部門で共有することが有効です。とくにBtoBの商材では成約までのリードタイムが長いため、共通指標による連携の有無が達成率を大きく左右します。
KPI達成のアプローチはプロダクトの粗利構造で変わる
KPIを達成する打ち手は、すべての企業に共通する正解があるわけではなく、自社のプロダクトの粗利構造によって変わります。
ここでは、粗利率の高い商品と低い商品それぞれのアプローチと、1人あたり粗利による見極め方を解説します。
粗利率が高い商品のアプローチ
粗利率が高い商品は、1人あたりが生む粗利が大きいため、少人数でも目標額に到達しやすい構造です。
粗利率が高い商品は相場的に商品価格も高くなりやすく、1件の成約あたりの粗利が大きくなります。たとえば1人あたり300万円の粗利を生むなら、営業3人で900万円に達します。少数精鋭で1件ごとの受注単価を高める方針が取りやすく、KPIも商談の「質」や受注単価を重視した設計が向いているでしょう。
粗利率が低い商品のアプローチ
粗利率が低い商品でも、営業組織の規模を生かせば総額でKPIを達成できます。
1人あたりの粗利が小さくても、人数を増やすことで全体の粗利を積み上げられるためです。たとえば1人あたり200万円の粗利でも、10人の営業組織なら2,000万円となり、高粗利の少人数チームを上回ります。
営業マンが10人以上いる組織は、1人あたりの粗利が低くても問題なく、リード獲得の「量」を重視したKPI設計が適しています。こうした組織体制の考え方は、BtoB営業の体制づくりとも密接に関わります。
▢関連記事:【2025年最新版】BtoBマーケティングとは?予算別・業種別の優先順位マップ
1人あたり粗利で打ち手を見極める
自社が「1人あたり粗利の高い型」か「低い型」かを見極めることで、注力すべきKPIと打ち手が定まります。
1人あたり粗利が高い型は受注単価と商談の質を、低い型はリード獲得数と組織の規模を伸ばす方向に最適化します。
▼粗利構造別のアプローチ比較
| 観点 | 粗利率が高い商品 | 粗利率が低い商品 |
| 商品単価 | 相場的に高くなりやすい | 相場的に抑えめになりやすい |
| 1人あたり粗利 | 大きい(例:300万円) | 小さい(例:200万円) |
| 適した組織規模 | 少人数でも成立 | 10人以上で総額を確保 |
| 重視するKPI | 受注単価・商談の質 | リード獲得数・商談数 |
自社の型を取り違えると、少人数なのに量を追ったり、大組織なのに単価ばかり気にしたりと、KPIと実態がかみ合わなくなってしまいます。
KPI達成には自社に合った集客設計が鍵
粗利構造に応じたKPIを定めたら、それを達成するための集客をどう設計するかが最後の鍵となります。
ここでは、粗利構造に合った集客チャネルの選び方と、マーケティングと営業を一気通貫で設計する考え方を解説します。
粗利構造に合わせた集客チャネルを選ぶ
集客チャネルは、自社の粗利構造に合わせて選ぶことで費用対効果が高まります。
1人あたり粗利が高い商品は、1件あたりの獲得コストを許容しやすいため、質の高いリードを狙えるチャネルに投資できます。一方、粗利率が低く量で勝負する商品は、低コストで多くのリードを集められるチャネルが向いています。こうしたチャネル選定はWebマーケティングとは何かを理解したうえで、自社の指標に合わせて組み立てると精度が高まります。
マーケと営業を一気通貫で設計する
KPIを確実に達成するには、集客から商談・受注までをマーケティングと営業で一気通貫に設計しましょう。
集客で獲得したリードが営業へスムーズに引き継がれ、商談・受注まで一貫した指標で管理されて初めて、KPIは絵に描いた餅にならず達成へ向かいます。逆に、検索流入のようなKPIを掲げても、それがKGIとかみ合っていなければ、数字を伸ばしてもゴールには届かないままです。適切なKPIを定め、それを集客から受注まで一本の線でつなぐことが、KGI達成への最短ルートとなります。
実際にある企業様では、メグダイの支援によってオウンドメディア運用でPV数を3倍に伸ばし、月3〜4件の問い合わせ獲得につなげた実績があります。適切なKPIを設計し、KGI達成まで伴走した一例といえるでしょう。
自社の粗利構造に合ったKPIの置き方、そのKPIとしてSEOを置く際の設計に困ったらご相談ください。集客の専門家として伴走いたします。
▢関連記事:中小企業のマーケティングやり方|低予算で成果を最大化する方法
マーケティングKPIに関するよくある質問
マーケティングKPIとKGIの違いは何ですか?
KGI(最終目標)は「年間売上1億円」のように最終的に達成すべきゴールを示す指標です。一方KPIは、そのKGIに向けた進捗を測る中間指標を指します。KGIから逆算してKPIを設定することで、最終目標と日々の活動が一貫します。
KPIはいくつ設定するのが適切ですか?
KPIは重要な指標を4〜5個程度に絞るのが目安です。数が多すぎると管理が煩雑になり、どの指標に注力すべきか焦点がぼやけてしまいます。自社でコントロールでき、改善によって数値を動かせる指標に絞ることで、集中的に改善へ取り組めるでしょう。
粗利率が低い商品はKPI達成に不利ですか?
粗利率が低い商品でも、KPI達成に不利とは言い切れないでしょう。1人あたりの粗利が小さくても、営業組織の規模を生かして総額を積み上げられるためです。たとえば1人200万円の粗利でも10人なら2,000万円となり、量を重視したKPI設計と集客が機能すれば十分に達成を狙えます。
【まとめ】マーケティングKPIは作り方と達成設計、そして集客で成果が決まる
マーケティングKPIは、KGIから逆算して作り、達成に向けた運用と自社の粗利構造に合った集客までを設計して初めて成果につながります。
▼この記事のまとめ
- KPIはKGIから逆算し、KPIツリーとSMARTで具体化する
- 達成には先行指標のモニタリングと営業連携が欠かせない要素となる
- 粗利率と1人あたり粗利の高低で、取るべきKPIと集客アプローチが変わる
KPIを正しく作り、達成に向けて運用しても、自社の粗利構造に合った集客が伴わなければ成果は遠のいてしまいます。とくに、どのチャネルにどれだけ投資すべきかの判断は、プロダクトの特性と組織規模を踏まえた専門的な設計が求められます。
自社の粗利構造に沿ったKPIの置き方や、置いたKPIの達成にお困りの企業様はメグダイにご相談ください。自社のマーケティング経験や実績をもとに支援させていただきます。