「優秀だと思って採用したのに、すぐ辞めてしまった…」
そんな声は少なくありません。
面接官ごとに評価がバラバラだと採用ミスマッチが起こりやすく、新卒で平均56.8万円、中途で平均103.3万円のコストが無駄になります。
▼今回の記事でわかることは・・・
- 面接基準を明確にすることで採用ミスマッチを防ぐ方法
- 1日で実践できる面接基準の設計手順と7つの評価軸
- 中途採用と新卒採用で異なる評価基準の設定ポイント
本記事では、面接官による評価のズレをなくし、自社に本当にマッチする人材を見極めるための面接基準の作り方を解説します。
採用ミスマッチや面接評価の属人化でお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。 弊社では、採用基準の設計から面接官トレーニングまで、費用対効果の高いマーケティング施策をご提案しております。
目次
面接基準とは何か
「面接官によって評価が変わる」といった悩みをお持ちではありませんか。
面接基準とは、候補者を評価するための明確な判断軸のことです。
どのような能力や適性を持つ人材を採用するのか、どの項目をどう評価するのかを言語化したものを指します。
この基準が曖昧だと、面接官の主観に頼った評価になってしまうでしょう。
面接基準を明確化しないと採用は失敗する
面接基準が明確でないと、採用活動は失敗に終わります。
評価軸が統一されていなければ、面接官ごとに求める人物像が異なってしまうためです。
その結果、本来採用すべき人材を見逃したり、自社にマッチしない人材を採用してしまうのです。
面接官ごとに評価が異なる企業の共通点
面接官ごとに評価が異なる企業には共通点があります。
それは、評価項目や評価基準が社内で共有されていないことです。
評価基準が曖昧だと、面接官は自分の価値観で判断せざるを得ません。
全面接官が同じ視点で評価できる仕組みづくりが不可欠です。
なぜ面接基準が必要なのか?
採用活動において、面接基準の設定は非常に重要です。
基準がなければ、面接官の主観に頼った評価となり、採用ミスマッチが頻発してしまいます。
特に少人数企業では、たった一人の採用ミスが経営に直結する深刻な事態を招きかねません。
採用ミスマッチによる経営損失
採用ミスマッチは、企業に多大な経営損失をもたらします。
調査によると、新卒採用では平均56.8万円、中途採用では平均103.3万円のコストがかかっています。
早期離職が発生すれば、これらの投資が回収できず、さらに追加の採用費用が必要になるのです。
引用元:マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査、就職白書2020
少人数企業ほど一人の採用ミスが致命傷になる理由
少人数企業では、一人の採用ミスが致命的なダメージとなります。
従業員一人あたりが担う業務の範囲が広く、影響が組織全体に及ぶためです。
採用コストの負担も相対的に大きく、限られた予算での失敗は経営を圧迫する要因になるでしょう。
面接基準があれば採用の属人化を防げる
明確な面接基準があれば、採用活動の属人化を防げます。
誰が面接を担当しても同じ評価軸で判断できる仕組みが整うためです。
経験の浅い面接官でも適切な評価が可能になり、評価のばらつきも減少します。
面接基準を設計する前にやるべきこと
面接基準を作る前に、自社が求める人物像を明確にすることが最も重要です。
「どんな人材がほしいのか」が曖昧なまま評価項目を決めても、的外れな基準になってしまいます。
ここでは、面接基準を設計する前に必ず押さえるべき3つのステップを解説します。
自社の求める人物像を3つの視点で定義する
求める人物像は、3つの視点から具体的に定義する必要があります。
それは「スキル」「経験」「価値観」という異なる評価軸です。
これら3つの視点をバランスよく設定することで、多面的な評価が可能になります。
経営層・現場・人事で認識をすり合わせる
求める人物像は、経営層・現場・人事の3者で必ずすり合わせる必要があります。
それぞれの立場で求める人材像が異なるケースが多いためです。
採用基準を決める前に、必ず関係者全員で議論する時間を設けることが大切です。
熱意と経験、どちらを優先するかを決める
採用基準を設定する際、熱意と経験のどちらを優先するかを明確に決める必要があります。
この判断基準が曖昧だと、面接官ごとに評価の重点が変わってしまうためです。
自社の状況に応じて優先順位を明確にすることが、ブレない採用基準につながります。
面接基準に盛り込むべき7つの評価軸
面接基準を設計する際には、複数の評価軸をバランスよく設定することが重要です。
一つの能力だけで判断すると、候補者の適性を見誤るリスクが高まってしまいます。
ここでは、多くの企業が採用している7つの評価軸と見極め方を解説します。
コミュニケーション能力の見極め方
コミュニケーション能力は、どの職種でも必須となる重要な評価軸です。
この能力を測るには、面接での受け答えの明瞭さや、質問の意図を正確に理解できているかを確認します。
「チームで意見が対立した時の対応」といった質問で、実際の行動を掘り下げるとよいでしょう。
企業理解度と志望動機の深さをどう測るか
企業理解度と志望動機の深さは、入社後の定着率を左右する重要な指標です。
企業への理解が浅い候補者は、入社後にギャップを感じて早期離職しやすいためです。
「なぜ競合他社ではなく当社なのか」という問いに具体的に答えられるかを確認しましょう。
即戦力性とポテンシャルの判断基準
即戦力性とポテンシャルは、採用の目的によって重視する度合いが変わります。
中途採用では即戦力性を、新卒採用ではポテンシャルを優先するのが一般的です。
採用ポジションの特性に合わせて評価の重点を変えることが効果的でしょう。
価値観や人間性の評価ポイント
価値観や人間性は、企業文化とのマッチ度を測る上で欠かせない評価軸です。
スキルが高くても、価値観が合わなければ組織に馴染めず、早期離職につながります。
「仕事で大切にしていること」といった質問で、候補者の判断基準を探りましょう。
論理的思考力を見抜く質問設計
論理的思考力は、問題解決能力を測る重要な評価項目です。
過去の経験について「なぜそう判断したのか」を深掘りする質問が効果的です。
根拠を持って説明できているか、筋道立てて考えられているかを評価します。
ストレス耐性と柔軟性の確認方法
ストレス耐性と柔軟性は、変化の激しい環境で活躍できるかを測る指標です。
「これまでで最も困難だった経験とその乗り越え方」を質問して確認します。
実際のエピソードを通じて、候補者のストレス対処法を具体的に把握することが大切です。
カルチャーフィットの判定基準
カルチャーフィットは、組織への適応力を示す重要な評価軸です。
どれだけ優秀でも企業文化に合わない人材は、高いパフォーマンスを発揮できません。
自社の働き方と候補者の志向性が一致しているかを確認しましょう
面接基準を運用する際の実践ポイント
面接基準を作っただけでは、採用の質は向上しません。
設定した基準を正しく運用できなければ、面接官の主観に頼った評価に戻ってしまいます。
ここでは、面接基準を実際に活用する際の重要なポイントを解説します。
構造化面接で質問を統一する
構造化面接を導入することで、面接官による評価のばらつきを大幅に減らせます。
これは、事前に決めた質問項目と評価基準に沿って面接を進める手法です。
全ての候補者に同じ質問をすることで、公平な比較が可能になります。
面接前に評価基準を面接官で共有する
面接を実施する前に、評価基準を面接官全員で必ず共有する必要があります。
基準の解釈が面接官ごとに異なると、評価にズレが生じてしまうためです。
具体的な行動例を示しながら「このレベルなら合格」という共通認識を作ることが重要です。
面接基準を設定する際の注意点
面接基準を設定する際には、いくつかの重要な注意点があります。
良かれと思って設定した基準が、法的問題を引き起こしたり、評価のズレを生んだりするケースは少なくありません。 ここでは、面接基準を設定・運用する際に必ず押さえるべき注意点を解説します。
法的にNGな質問項目を把握しておく
面接では、法的にNGな質問項目が明確に定められています。
本籍地や家族構成、思想信条に関わる質問は就職差別につながるため禁止されています。
面接官トレーニングの際には、NGな質問項目を必ず共有することが重要です。
抽象的な表現は認識のズレを生む
抽象的な表現で評価基準を設定すると、面接官ごとに認識のズレが生じます。
同じ言葉でも人によって解釈が異なるためです。
「会議で最低3回は意見を述べられる」といった具体的な行動レベルまで落とし込むことが必要です。
採用基準は定期的にアップデートする
採用基準は、一度作って終わりではなく、定期的にアップデートする必要があります。
事業の成長や市場環境の変化に応じて、求める人材像も変わるためです。
採用後のデータを分析し、定着率の高い人材の特徴を基準に反映させることも効果的です。
中途採用と新卒採用で異なる面接基準
中途採用と新卒採用では、面接で重視すべきポイントが大きく異なります。
同じ評価基準で判断してしまうと、どちらか一方で採用ミスマッチが発生するリスクが高まります。
ここでは、それぞれの採用で具体的にどのような基準を設定すべきかを解説します。
中途採用で重視すべきスキルと経験
中途採用では、即戦力として活躍できるスキルと経験を最優先で評価します。
中途採用は欠員補充や事業拡大のために行われることが多く、すぐに成果を求められるためです。
前職での実績を数値で確認し、自社の業務にどう活かせるかを見極めましょう。
新卒採用ではポテンシャルをどう見極めるか
新卒採用では、将来の成長可能性であるポテンシャルを重視します。
社会人経験がないため、現時点でのスキルではなく、学習意欲や思考力で判断するのです。
「学生時代に力を入れたこと」を深掘りし、困難への対処法や成長プロセスを確認します。
面接基準の効果を最大化する採用戦略
面接基準を設定しても、それだけでは採用成功には不十分です。
面接の前後で行う施策を組み合わせることで、採用の精度はさらに高まります。
ここでは、面接基準の効果を最大化するための具体的な採用戦略を解説します。
書類選考の段階で候補者を絞り込む
書類選考の段階で適切に候補者を絞り込むことが、面接の効率化につながります。
明らかに基準を満たさない候補者との面接に時間を使うのは非効率だからです。
必須スキルや経験年数などの最低条件を満たしているかを確認しましょう。
適性検査ツールを活用して客観性を担保する
適性検査ツールを活用すれば、面接だけでは見えにくい候補者の特性を客観的に把握できます。
性格診断や能力検査を実施することで、ストレス耐性や論理的思考力を数値化して比較できます。
適性検査と面接評価を組み合わせることが、採用精度向上の鍵になります。
採用後の定着率を高めるフォロー設計
採用後の定着率を高めるには、入社前からのフォロー設計が重要です。
せっかく基準に合う人材を採用しても、早期離職されては意味がないためです。
内定後の定期的なコミュニケーションや、入社前研修の実施で不安を解消することが効果的です。
まとめ:面接基準の仕組み化が採用成功の鍵
面接官による評価のバラつきは、面接基準を明確にすることで防げます。
7つの評価軸を設定し、構造化面接で運用すれば、採用ミスマッチは大幅に減少するでしょう。
採用基準の設計でお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。