「新商品を出しても、なかなか売れない…」
そんな悩みを抱える担当者の方は、多いのではないでしょうか。
実は、ヒットを生み出せる会社とそうでない会社には、はっきりとした違いがあります。
その違いは才能やセンスではなく、「勘ではなく、データで決めているか」という一点に尽きます。
▼本記事でわかること
- ヒット商品を生み出せる会社と生み出せない会社の違い
- 成功企業が実践している商品開発の5ステップ
- マーケティング戦略の4つの鉄則と、実際のヒット事例
新商品が思うように売れずに困っている方に向けて、今日から実践できる具体的なポイントをまとめました。
なお本記事では、商品開発で頻出する2つの言葉を以下のように使い分けます。
- ターゲット:年齢・性別・職業などで区切った大まかな対象層
- ペルソナ:ターゲットの中でさらに具体的に描き込んだ一人の人物像
目次
ヒット商品を生み出せる企業と生み出せない企業の決定的な違い
ヒット商品を生み出せる企業と生み出せない企業には、真逆の3つの特徴があります。
以下の対比表で、自社がどちら側に近いかを確認してみてください。
| 観点 | 生み出せない企業 | 生み出せる企業 |
| 意思決定 | 経験・勘で判断 | データで判断 |
| ターゲット | 万人受けを狙う | 1人の人物像まで具体化 |
| プロセス | 属人的・再現性なし | 仕組み化・再現可能 |
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
意思決定:データで判断するか、勘で判断するか
生み出せない企業は、結論ありきのリサーチをしがちです。
すでに結論が決まっていて、それを裏付けるためだけにデータを集める行為は、正しいリサーチとは言えません。
これでは、自分たちが見たい結論しか見えなくなり、市場の本当のニーズを見落とします。
一方、成功企業は客観的なデータを意思決定の基盤にしています。
たとえば、IDレシート(買い物のレシート画像から購買データを取得・分析する仕組み)を活用すれば、複数の店舗をまたいで個人の購買履歴を追跡できます。
▼従来のデータとIDレシートで見えるものの違い
| データの種類 | 分かること |
| POSレジ・ポイントカード | 自社の店で何が売れたか |
| IDレシート | 自社で買った人が他の店で何を買っているかまで |
POSレジやポイントカードでは捉えきれない顧客の行動パターンや、潜在的なニーズの発見にも繋がります。
ターゲット:1人まで具体化するか、万人受けを狙うか
「誰に売るのか」が不明確なまま商品開発を進める企業は、高確率で失敗します。
成功企業は、ターゲット(大まかな対象層)に加え、ペルソナ(具体的な人物像)まで踏み込んで明確化しています。
ターゲットを細分化するほど、その市場で「1番」になれる要素を作り出せるからです。
たとえば「30代女性向けスナック菓子」では大手と競合しますが、「夜にひとりで小腹を満たしたい働く女性向け」となれば、その層で1番を狙える商品設計が見えてきます。
「万人受けを狙うと誰にも響かない」が鉄則です!
プロセス:仕組み化するか、個人に依存するか
個人の経験や勘だけで意思決定する企業は、再現性がありません。
担当者が変わるとノウハウが失われ、同じ失敗を繰り返します。
成功企業は、過去の成功・失敗を分析して仕組み化しています。
「あの担当者が抜けたから、もうヒットは作れない」という状態を避けるためです。
失敗を記録し、次に活かす文化があることで、誰が担当しても一定の成果が出せる体制が整い、徐々にヒット率が向上していきます。
【商品開発担当者向け】ヒット商品を生み出す5ステップ
ヒット商品を生み出すには、正しいプロセスを踏むことが不可欠です。
商品開発担当者の方は、以下の5つのステップに沿って進めることで、成功確率を大幅に高められます。
▼商品開発の5つのステップ
- ステップ1:市場リサーチ
- ステップ2:ターゲット設定
- ステップ3:コンセプト検討
- ステップ4:商品設計
- ステップ5:テスト販売
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:市場リサーチ
商品開発の最初は、必ず市場リサーチから始めます。
リサーチの精度が、その後の成功確率を大きく左右します。
▼実施すべきリサーチ
- 競合商品の分析
- 消費者ニーズの調査
- 市場トレンドの把握
- データの収集と分析
リサーチ段階の手抜きは、後工程すべてに悪影響を及ぼします。
ステップ2:ターゲット設定
リサーチ結果をもとに、ターゲットを明確化します。
曖昧なターゲット設定は失敗の原因です。
▼設定すべき項目
- 年齢・性別・職業
- 居住地・ライフスタイル
- 購買行動・価値観
- 抱えている課題
居住地まで絞り込むレベルの具体化を目指しましょう。
なお、ここでのターゲット設定は「対象とする層を決める」段階です。さらに踏み込んだペルソナ(1人の人物像)の設計は、後述の「マーケティング戦略の4つの鉄則」で詳しく解説します。
ステップ3:コンセプト検討
ターゲットが決まったら、商品コンセプトを検討します。
▼コンセプト検討のポイント
- 新しい価値の提供
- 競合との差別化
- ターゲットの課題解決
類似品ではなく、独自の価値を打ち出すコンセプトを作ることが重要です。
なお、コンセプトに加えるべき「意外性」の重要性については、後述の「マーケティング戦略の4つの鉄則」で詳しく解説します。
ステップ4:商品設計
コンセプトが固まったら、具体的な商品設計に入ります。
この段階で、実現可能性やコストを検討します。
▼設計時の確認事項
- 製造コスト・販売価格
- 技術的な実現可能性
- パッケージデザイン
- 流通チャネル
コンセプトと実際の商品にズレがないか、常に確認しましょう。
ステップ5:テスト販売
商品完成後、いきなり全国展開せず、小規模テスト販売を実施します。
テスト販売で反応を見て、改善点を洗い出します。
▼テスト販売のメリット
- リスクの最小化
- 顧客の生の声を収集
- 改善点の早期発見
- データに基づく意思決定
テスト結果を分析し、必要に応じて修正してから本格展開します。
商品を作るプロセスは見えました。
ただし、作っただけでは売れません。
自社の商品、検索したときに出てきますか?
【マーケ責任者向け】マーケティング戦略の4つの鉄則
商品開発プロセスに加えて、マーケティング戦略も重要です。
マーケ責任者の方は、以下の4つの鉄則を押さえることで、ヒット確率がさらに高まります。
▼マーケティング戦略の4つの鉄則
- ペルソナを明確にする
- データを活用する
- 意外性を加える
- 単純接触回数を増やす
ペルソナを明確にする
マーケティング戦略の基本は、ペルソナの明確化です。
商品開発の5ステップで設定した「ターゲット(対象層)」から、さらに踏み込んで具体的な一人の人物像(ペルソナ)を描きます。
なぜ層ではなく1人にまで描き込むかというと、ターゲットを細かくするほど「その人に1番選ばれる商品」が作りやすくなるからです。
▼ターゲット設定の細かさによる違い
| ターゲット設定 | 競合の数 | 1番になれる可能性 |
| 30代女性向け | 無数 | 低い |
| 都心で働く独身の30代会社員女性向け | 限定的 | 高い |
また、「層」のままだと人によって解釈がバラバラになる問題もあります。
▼「30代女性」という言葉だけでは…
| 担当者A | 担当者B | 担当者C |
| 子育て中の主婦 | 都心で働くキャリア女性 | 独身で趣味に没頭する人 |
同じ「30代女性」でも、思い浮かべる顔がまったく違います。
ペルソナとして1人の人物像にまで描き込み、社内全員が同じ顔を思い浮かべて議論できる状態を作ることが重要です。
データを活用する
データに基づくマーケティングが、成功の鍵です。
IDレシートなどのツールを活用し、店舗をまたいだ横断的なデータを収集しましょう。
データがあれば、顧客の行動パターンや潜在ニーズを発見できます。
感覚ではなく、事実に基づく戦略を立てることが重要です。
意外性を加える
商品コンセプトには、期待を超える驚きを加えます。
なぜ意外性が必要かというと、「普通に良い商品」では気づいてもらえない時代だからです。
▼ヒット商品に必要な要素
- SNSで自然と話題になる仕掛け
- 店頭で「お、なんだこれ」と足を止めさせる要素
- ターゲットの予想を少しだけ裏切る設計
意外性のある商品とない商品では、消費者の反応がまったく違います。
▼商品への反応の違い
| 想像通りの商品 | 意外性のある商品 |
| 「ふーん」で終わる | 「え、何これ?」と足が止まる |
| SNSで話題にならない | 思わず写真を撮りたくなる |
| 友達に話そうと思わない | 友達に教えたくなる |
明治ザ・チョコレートの「縦型パッケージ」も、ガリガリ君の「コーンポタージュ味」も、この予想を裏切る要素がありました。
「普通」では埋もれてしまいます!
単純接触回数を増やす
ヒット商品を生み出すには、顧客との接触回数を増やすことが重要です。
心理学の「単純接触効果」(同じものに繰り返し触れるほど好感度が高まる現象)により、接触回数が多いほど商品への好感度が高まります。
▼接触回数を増やす施策
- SNSでの定期的な情報発信
- 自社運営の情報サイト(オウンドメディア)でのコンテンツ発信
- PR・メディア露出の獲得
- 試食会・体験会の開催
特にオウンドメディアは、検索からの安定した接触機会を作れる施策として注目されています。
接触回数が増えるほど、購買意欲が高まります!
過去のヒット商品事例|明治・カルビーから学ぶ法則
実際にヒットした商品から、成功の法則を学びましょう。
具体的な事例を見ることで、理論が実践に繋がります。
▼ヒット事例
- 明治ザ・チョコレート
- ガリガリ君
- カルビー・ジャガビー
明治ザ・チョコレート
明治「ザ・チョコレート」は、2016年9月のリニューアル発売後、縦型パッケージという従来にない意外性で大きな話題を呼びました。
実は、2014年に発売された「初代」は、味で勝負したものの営業面で苦戦していました。
その背景には、日本のチョコレート市場の特殊性があります。
| 当時の日本のチョコ市場 | シェア |
| ミルクチョコ | 約60% |
| ダークチョコ | 約20%弱 |
そこで2016年のリニューアルで打ち出したのが、以下の戦略でした。
▼明治ザ・チョコレートの戦略
- 新カテゴリー:砂糖を減らしカカオとミルクを増やした「ダークミルク」を提案
- 縦型パッケージ:横長が主流の板チョコ売場に縦型を持ち込み、棚に8種類を並べて専門店風の世界観を演出
- 高級感のあるデザイン:クラフト紙を使った見た目がSNSで「おしゃれ」と拡散され、購入者が自主的にPR
価格は税抜220円〜230円と、従来の板チョコ「明治ミルクチョコレート」(109円)の約2倍。
それでも2016年9月の発売から半年強で3000万個を売り上げ、日経トレンディの2017年ヒット商品ベスト30で2位を獲得しました。
学べる法則:意外性のあるパッケージは、商品そのものより先に「見せ方」で勝負を決められる。マーケティング戦略の「意外性を加える」を体現した事例。
ガリガリ君
ガリガリ君は、1981年発売の赤城乳業のロングセラーアイスです。
発売当初は、駄菓子屋のアイスストッカーが大手メーカー(雪印・明治・森永・ロッテ)の独占状態で、なかなか売場を確保できないという苦境からのスタートでした。
しかし、年間販売本数は段階的に大きく伸びていきました。
▼ガリガリ君の販売本数の推移
| 時期 | 年間販売本数 |
| 発売〜約20年 | 1億本到達 |
| 2007年 | 2億本 |
| 2012年以降 | 4億本超を維持 |
この伸びを支えたのが、2004年からのキャラクター戦略でした。
▼ガリガリ君の戦略
- ガリガリ君を「単なるパッケージの絵」ではなくマネジメントすべきブランド資産として捉え直した
- 2006年に「ガリガリ君プロダクション」を設立し、芸能事務所のようにメディア露出やコラボを戦略管理
- サッカー日本代表、ポケモン、くまモンなど異業種コラボで接点を拡大
- 「コーンポタージュ味」などの奇抜なフレーバーで定期的に話題を生み出す
狙いは、夏の冷菓だけでは生まれない接点を1年中作り続けることでした。
学べる法則:キャラクター戦略で「顧客との接点」を1年中作り続ければ、ロングセラーになる。マーケティング戦略の「単純接触回数を増やす」を体現した事例。
カルビー・ジャガビー
カルビー「ジャガビー」は、ペルソナマーケティングの代表事例です。
ジャガビーの開発が始まった2005年当時、カルビーには以下のデータがありました。
独身女性は10代から20〜30代になると、3割がスナック菓子から遠ざかる
この「失われた3割」を取り戻すために設定されたのが、以下のペルソナです。
▼ジャガビーのペルソナ設定
| 項目 | 内容 |
| 年齢 | 27歳 |
| 性別・状況 | 独身女性 |
| 居住地 | 文京区 |
| 趣味 | ヨガと水泳に凝っている |
| 人物像 | おしゃれで情報感度が高く、都会で一人暮らしをしている女性会社員 |
このペルソナをもとに、商品設計が細部まで作り込まれました。
▼ペルソナに合わせた商品設計
- パッケージ:「文京区に住むおしゃれな20〜30代の独身女性の部屋に置いても違和感がない」落ち着いた色調
- CM起用:ペルソナがよく読む雑誌『Oggi』で活躍していたモデルを起用
- 社内の問いかけ:開発から販促まで「彼女たちの視点で評価してくれ」と一貫して問い続けた
結果、ジャガビーは2006年の発売後、「じゃがりこ」以来のカルビーの大ヒット商品となりました。
学べる法則:客観的なデータをもとに「層」ではなく「1人」まで描き込めば、その人に刺さる商品設計ができる。マーケティング戦略の「データを活用する」「ペルソナを明確にする」を同時に体現した事例。
ヒット商品はどれも、検索すれば必ず辿り着ける状態で作られています。
自社の商品は、ジャンル名で検索したときに何位に出てきますか?
ヒット商品開発のよくある質問
ヒット商品開発に関して、よくいただく質問をまとめました。
▼よくある質問
- ペルソナとターゲットの違いは?
- 中小企業でもヒット商品を作れますか?
- 商品開発で最初にやるべきことは?
それぞれ詳しく回答します。
ペルソナとターゲットの違いは?
ペルソナとターゲットの違いは、具体性のレベルです。
ターゲットは「30代女性」「都市部在住の会社員」など、年齢・性別・職業などで区切った大まかな対象層を指します。
一方、ペルソナは「27歳・独身女性・文京区在住・趣味はヨガと水泳」(カルビー・ジャガビーの例)のように、ターゲットの中でさらに具体的に描き込んだ人物像です。
ペルソナまで具体化することで、その人に刺さるメッセージや商品設計ができます。
中小企業でもヒット商品を作れますか?
中小企業でも、ヒット商品を作ることは可能です。
予算が少なくても、既存商品の分析や顧客データの収集から始められます。
小規模テストは、クラウドファンディングやSNSを活用することで、低コストで実施できます。
むしろ中小企業は意思決定が速く、ニッチ市場で「1番」を取りやすいという強みがあります。
商品開発で最初にやるべきことは?
商品開発で最初にやるべきことは、市場リサーチです。
競合商品の分析、消費者ニーズの調査、市場トレンドの把握を行います。
特に重要なのは、結論ありきでデータを集めるのではなく、先入観なくフラットに調査することです。
自社の「ヒット商品を生み出す力」チェックリスト
ここまでの内容を踏まえて、自社の現状をチェックしてみましょう。
▼ヒット商品を生み出す企業度チェック
| # | チェック項目 |
| □ | リサーチを「結論を決める前」に実施している |
| □ | ターゲットをペルソナ(具体的な1人)まで描き込んでいる |
| □ | 自社商品名で検索したとき、公式情報が1位に表示されている |
| □ | 商品ジャンル名で検索したとき、自社のページが上位に出る |
| □ | オウンドメディアで定期的に情報発信している |
▼チェック結果の見方
| 当てはまる数 | 診断 |
| 5つすべて | ヒット商品を生み出す土台が整っています |
| 3〜4つ | あと一歩、特に検索で見つけてもらう仕組みが課題かも |
| 0〜2つ | 商品が売れない原因は、ここに集約されている可能性大 |
特に後半3つの「検索で見つけてもらう」項目がチェックできなかった方は、SEO戦略の見直しで成果が大きく変わる可能性があります。
良い商品を作っても、ターゲットに見つけてもらえなければ売上には繋がりません。
まとめ|成果を生む仕組み作り
チェック結果はいかがでしたか?
ヒット商品を生み出すには、再現可能な仕組みが不可欠です。
担当者個人の経験に頼らず、データに基づく意思決定の文化を作りましょう。
▼本記事のポイント
- 成功企業はデータ活用・明確なターゲット・再現可能な仕組みを持つ
- 5ステップの商品開発プロセスと4つの鉄則を実践する
- 過去のヒット事例から、意外性・ペルソナ・ブランディングの重要性を学ぶ
これらを実践することで、成功確率を大幅に高められます。
そして、ヒット商品を生み出す仕組みの最後のピースは、「検索で見つけてもらう仕組み」=SEOです。
弊社では、オウンドメディア運営とSEO設計で商品認知の最大化を支援しています。
まずは無料でご相談ください。
参考URL
- ヒット商品を生み出すポイントとは?プロセスやリサーチ方法をご紹介 | FeliCa Networks
- 商品開発の秘訣とは? | コンセプット
- 自己流「ペルソナ」で大ヒット商品生み出す | 日経xTECH
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