CRO(コンバージョン率最適化)で成果を出すには、CTA最適化・EFO・LPOの3つの手法を優先度順に実践することが重要です。
▼今回の記事でわかることは・・・
- CROの定義とCVR改善に不可欠な理由
- 成果を出すための優先順位の決め方
- CVR改善に効果的なCRO手法3選
CRO施策の設計やCVR改善でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
目次
CRO(コンバージョン率最適化)とは?CVR改善に不可欠な理由
CRO(コンバージョン率最適化)とは、Webサイトに訪れたユーザーのコンバージョン率を高める施策全般を指します。
広告費を増やさずに成果を向上させる手法として、多くの企業が注目しています。
ここでは、CROの基本的な定義から、なぜWebマーケティングにおいて重要なのかを解説します。
CROはWebサイトのコンバージョン率を高める施策の総称
CRO(Conversion Rate Optimization)とは、Webサイトを訪れた人が問い合わせや購入といった行動を起こしやすくするための取り組みです。
似た用語にLPO(ランディングページ最適化)とEFO(エントリーフォーム最適化)があります。
これらはCROの一部であり、CROという大きな枠組みの中に含まれる個別施策です。
| 用語 | 正式名称 | 対象範囲 |
| CRO | Conversion Rate Optimization | サイト全体のCVR向上施策 |
| LPO | Landing Page Optimization | ランディングページの改善 |
| EFO | Entry Form Optimization | 入力フォームの改善 |
つまり、CROを実践する中で、必要に応じてLPOやEFOを活用するという関係性になります。
広告費を増やさずに売上を伸ばせる
CROがWebマーケティングの成果を左右する最大の理由は、既存のアクセスから得られる成果を最大化できる点にあります。
広告費を追加投入しなくても、CVRが向上すれば売上は増加します。
例えば、月間1万PVのサイトでCVRが1%から2%に改善した場合を考えてみましょう。
コンバージョン数は100件から200件へと2倍になります。
集客コストが高騰している現在、既存トラフィックの価値を高めるCROは費用対効果の高い施策です。
現在のCVR・離脱率・フォーム完了率を把握する
CRO施策を効果的に進めるには、現状を正確に把握することが前提条件です。
以下の3つの指標を事前に確認しておく必要があります。
▼3つの指標
- 現在のCVR(コンバージョン率)
- 離脱率の高いページ
- フォーム完了率
これらの数値を把握していないと、改善の優先順位を正しく判断できません。
Googleアナリティクスやヒートマップツールを活用し、データに基づいた施策設計を行うことが成功の第一歩です。
CROで成果を出すための優先順位の決め方
CRO施策は数多く存在しますが、すべてを同時に実行することは現実的ではありません。
限られたリソースで最大の成果を得るには、改善インパクトの大きい箇所から着手することが重要です。
ここでは、優先順位を決めるための具体的な方法を解説します。
CVRへの影響度とトラフィック量の掛け合わせで判断する
改善インパクトが大きい箇所は、CVRへの影響度とトラフィック量の掛け合わせで特定できます。
いくら改善しても訪問者が少ないページでは、全体への影響は限定的です。
逆に、多くのユーザーが通過するページのCVRを1%改善するだけで、成果は大きく変わります。
具体的には、以下の手順で特定します。
▼手順
- アクセス数の多いページを抽出する
- 各ページの離脱率・直帰率を確認する
- CVRが低いページを優先リストに加える
この方法により、改善効果が最も見込める箇所を客観的に判断できます。
ヒートマップとアクセス解析を組み合わせる
データ分析で課題を可視化するには、適切なツールの活用が不可欠です。
代表的なツールとその用途は以下のとおりです。
| ツール種別 | 主な用途 | 代表的なツール |
| アクセス解析 | PV・離脱率・CVRの把握 | Googleアナリティクス |
| ヒートマップ | クリック・スクロール位置の可視化 | Clarity、Ptengine |
| ABテスト | 改善案の効果検証 | Googleオプティマイズ、VWO |
これらのツールを組み合わせることで、ユーザー行動の全体像を把握できます。
感覚ではなくデータに基づいた意思決定が、CRO成功の鍵となります。
ICEスコアで施策の優先度を数値化する
施策の優先度を決めるフレームワークとして、ICEスコアが有効です。
ICEスコアは、以下の3つの要素を1〜10点で評価し、合計点で優先順位を決定します。
▼3つの要素
- Impact(改善による影響度)
- Confidence(成功の確信度)
- Ease(実行の容易さ)
具体的な評価例は以下のとおりです。
| 施策 | Impact | Confidence | Ease | 合計 |
| CTAボタンの色変更 | 5 | 7 | 9 | 21点 |
| サイト全体のリニューアル | 8 | 4 | 2 | 14点 |
合計点が高い施策から優先的に着手することで、効率的に成果を出せます。
このように数値化することで、チーム内での合意形成もスムーズになります。
CVR改善に効果的なCRO手法3選
CRO施策の中でも、特に効果が高く優先的に取り組むべき手法があります。
ここでは、CVR改善に直結する3つの手法を優先度順に解説します。
いずれも比較的短期間で効果を実感しやすい施策です。
CTA(行動喚起)の最適化
CTA(Call To Action)の最適化は、最も手軽に着手でき、効果も見えやすい施策です。
ボタンの文言・色・配置を変えるだけで、CVRが20〜30%向上するケースも珍しくありません。
効果的なCTAには以下の要素が含まれます。
▼効果的なCTA3つの要素
- 具体的なアクション動詞(「無料で試す」「今すぐ相談」など)
- 視認性の高いコントラストカラー
- ファーストビューとコンテンツ末尾への配置
特に、ボタン文言を「送信」から「無料で相談する」に変更するだけで、クリック率が1.5倍になった事例もあります。
まずは現在のCTAを見直すことから始めてみてください。
エントリーフォームの改善(EFO)
EFO(エントリーフォーム最適化)は、フォーム離脱を防ぎ、完了率を高める施策です。
フォームまで到達したユーザーの約70%が途中で離脱しているというデータもあります。
この離脱を防ぐだけで、CVRは大幅に改善します。
EFOで実施すべき主な改善点は以下のとおりです。
▼EFOでの改善点
- 入力項目数を最小限に減らす
- 必須項目を明確に表示する
- エラー表示をリアルタイムで行う
- 入力補助機能(住所自動入力など)を実装する
項目数を10項目から5項目に削減しただけで、完了率が50%向上した事例もあります。
ユーザーの入力負担を減らすことが、EFOの基本原則です。
ランディングページの最適化(LPO)
LPO(ランディングページ最適化)は、ページ全体の構成や訴求内容を改善する施策です。
ファーストビューで離脱するユーザーは全体の40〜60%にのぼるといわれています。
この離脱を防ぐには、最初の3秒でユーザーの関心を引く必要があります。
LPOで重視すべきポイントは以下のとおりです。
▼LPOで重視すべきポイント
- ファーストビューでベネフィットを明確に伝える
- 信頼性を高める要素(実績・事例・資格)を配置する
- ページ読み込み速度を改善する
特にモバイルでは、読み込み速度が1秒遅くなるごとにCVRが7%低下するというデータもあります。
LPOはCTA最適化やEFOと組み合わせることで、相乗効果を発揮します。
CRO手法を実践する際の注意点と成功のコツ
CRO施策は正しい方法で実践しなければ、期待した効果を得られません。
ここでは、施策を成功に導くための注意点と実践的なコツを解説します。
よくある失敗を避け、着実に成果を積み上げていきましょう。
統計的有意性を確保してから判断する
ABテストは、2つ以上のパターンを比較して効果を検証する手法です。
しかし、十分なサンプル数を確保せずに結論を出すと、誤った判断につながります。
正しいABテストの実施手順は以下のとおりです。
▼ABテストの実施手順
- ①仮説を明確に設定する
- ②1回のテストで変更する要素は1つに絞る
- ③統計的有意性(95%以上)を確保してから判断する
- ④最低2週間以上の期間を設ける
サンプル数が少ない状態で「勝ちパターン」を決めると、偶然の結果に振り回されるリスクがあります。
焦らず、データが十分に蓄積されてから判断することが重要です。
継続的な改善サイクルを回す
CROは一度の施策で完了するものではなく、継続的な改善が前提となります。
短期間で劇的な成果を求めると、本質的な改善を見落とす原因になります。
CROを長期視点で取り組むべき理由は以下のとおりです。
▼CROを長期視点で取り組むべき理由
- ユーザー行動は季節やトレンドで変化する
- 一度の改善で得られる効果には限界がある
- 競合も常に改善を続けている
月次でCVRの推移を確認し、PDCAサイクルを回し続けることが成果につながります。
CROは「完了する」ものではなく「継続する」ものだと認識してください。
ユーザーテストで実際の行動を確認する
データ分析だけでは見えないユーザーの本音を把握するには、実際の行動観察が有効です。
ヒートマップやアクセス解析は「何が起きているか」を示しますが、「なぜそうなるか」までは教えてくれません。
ユーザー視点を忘れないための検証方法には以下があります。
▼Cユーザー視点を忘れないための検証方法
- ユーザーテスト(実際に操作してもらい観察する)
- アンケート調査(離脱理由や不満点を直接聞く)
- セッションリプレイ(録画された操作を分析する
5人のユーザーテストで、約85%のユーザビリティ問題を発見できるという研究結果もあります。
定量データと定性データを組み合わせることで、より精度の高い改善が可能になります。
CRO施策の設計やCVR改善でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
CRO手法を正しく実践してコンバージョン率を最大化しよう
CRO(コンバージョン率最適化)は、広告費を増やさずにWebサイトの成果を向上させる有効な手法です。
本記事で解説したCTA最適化・EFO・LPOの3つの施策を優先度順に実践することで、CVR改善を実現できます。
重要なのは、データに基づいて課題を特定し、継続的な改善サイクルを回すことです。
一度の施策で完璧を目指すのではなく、小さな改善を積み重ねていく姿勢が成果につながります。
まずは現状のCVRと離脱率を確認し、最もインパクトの大きい箇所から着手してみてください。
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