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IPビジネスとは?収益化の仕組みと始め方をわかりやすく解説
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IPビジネスとは?収益化の仕組みと始め方をわかりやすく解説

IPビジネスとは、自社が持つキャラクターやブランドなどの知的財産を活用して収益を得るビジネスモデルです。

世界的に市場が拡大しており、日本国内でも大きく成長を続けています。

▼本記事でわかること

  • IPビジネスの基本概念と収益化の仕組み
  • 具体的な始め方と準備すべきこと
  • マーケティング視点でIPビジネスが注目される理由

本記事を読めば、自社のIPをどう活用すべきか、具体的な方向性が明確になります。

IPビジネスの展開や収益化の仕組み作りでお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

弊社では、企業の持つ知的財産を最大限に活かすマーケティング支援を行っております。

戦略設計から実行支援まで包括的にサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

IPビジネスとは?

IPビジネスとは、知的財産を活用して収益を得るビジネスモデルです。

IP(Intellectual Property)は日本語で知的財産を意味します。

自社が持つキャラクター・ブランド・作品などを、ライセンス販売やグッズ展開によって収益化する仕組みです。

▼知的財産の具体例

  • キャラクター(アニメ、マンガ、ゲームなど)
  • ブランド(企業ロゴ、商標など)
  • 作品(映画、音楽、小説など)
  • デザイン(意匠、パッケージなど)
  • 技術やノウハウ(特許、ビジネスモデルなど)

従来のビジネスとの大きな違いは、一つのIPから複数の収益源を生み出せる点です。

例えば、人気キャラクターを持っている場合、グッズ販売・ライセンス供与・コラボイベントなど、多角的な展開が可能になります。

製造や販売を他社に任せることで、自社はリスクを抑えながら収益を得られます。

IPビジネスの最大の特徴は、ストック型の収益構造を作れることです。

人気が出たIPは資産として長期的に活用でき、継続的な収益を生み出します。

一度ヒットすれば、グッズ化・コラボ企画・海外展開など、多様な展開が可能になります。

近年IPビジネスが注目される背景には、SNSや動画配信サービスの普及があります。

ファンが自ら情報を拡散する推し活文化が広がり、広告費をかけなくても認知が拡大しやすくなりました。

企業にとっては、価格競争に巻き込まれない独自の価値を提供できる手段として、IPビジネスの重要性が高まっています。

IPビジネスで収益を得る3つの方法

IPビジネスの収益化には、主に3つの方法があります。

それぞれの特徴を理解して、自社に合った方法を選ぶことが重要です。

ライセンス販売で使用料収入を得る

ライセンス販売とは、自社IPの使用権を他社に提供し、使用料を得る方法です。

他社が製造・販売を行うため、自社は製造設備や在庫を持つ必要がありません。

リスクを抑えながら、安定的な収益を確保できます。

▼ライセンス販売の仕組み

  • 自社IP(キャラクターなど)の使用権を提供
  • 他社が商品を製造・販売
  • 売上の一定割合をロイヤリティとして受け取る

ロイヤリティ率は一般的に売上の数パーセントですが、ほぼ純利益に近い収入になります。

製造コストや販売リスクを負わないため、利益率が非常に高いのが特徴です。

成功事例として、サンリオのハローキティは世界中でライセンス展開を行い、大きな収益を上げています。

使用権を貸して収益化!

自社でグッズやコンテンツを販売する

自社で直接グッズやコンテンツを製造・販売する方法です。

ライセンス販売と比べて利益率が高く、ブランドコントロールもしやすくなります。

ただし、製造コストや在庫リスクを自社で負う必要があります。

▼自社販売の主な展開例

  • キャラクターグッズ(ぬいぐるみ、文具、アパレルなど)
  • デジタルコンテンツ(ゲーム、電子書籍など)
  • イベント・テーマパーク運営

近年は、ポップアップストアやオンラインショップで限定グッズを販売する手法が人気です。

期間限定や数量限定にすることで、ファンの購買意欲を高められます。

ECサイトを活用すれば、初期投資を抑えながら全国展開も可能です。

他社IPとコラボして売上を伸ばす

他社の人気IPとコラボすることで、新規顧客を獲得する方法です。

自社IPを持っていなくても、人気IPとコラボすることで話題性を生み出せます。

お互いのファン層を共有できるため、双方にメリットがあります。

▼コラボの主なパターン

  • 人気キャラクターとのコラボ商品
  • アニメ作品とのタイアップキャンペーン
  • 企業同士のブランドコラボ

コラボ成功のカギは、IPとの相性です。

ファン層やブランドイメージが合致する相手を選ぶことで、自然な形で新規顧客を獲得できます。

世界観を尊重したコラボは、既存ファンからの支持も得やすくなります。

IPビジネスの展開には、効果的な認知拡大や集客施策が欠かせません。

弊社では、企業の認知拡大から集客まで包括的なマーケティング支援を行っております。

戦略設計から実行支援まで対応いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

IPビジネスの始め方|3つのステップで解説

IPビジネスを始めるには、計画的な準備が重要です。

これらのステップを順番に進めることで、リスクを抑えながら収益化を目指せます。

自社の知的財産を洗い出す

最初のステップは、自社が持つ知的財産を全て洗い出すことです。

意外なものがIPとして活用できる可能性があります。

既存の資産を見直すことで、新たな収益源を発見できます。

▼洗い出すべき知的財産の例

  • キャラクター(マスコット、ロゴなど)
  • ブランド(商標、企業イメージなど)
  • 技術やノウハウ(独自の製法、ビジネスモデルなど)
  • コンテンツ(映像、音楽、デザインなど)
  • 顧客データや分析手法

見落としがちなのが、企業が長年培ってきたノウハウやビジネスモデルです。

他社にとって価値がある情報は、IPとして収益化できる可能性があります。

社内の各部署にヒアリングを行い、潜在的なIPを発掘しましょう。

眠っている資産を発掘!

収益化の方向性と目標を決める

洗い出したIPをどう活用するか、具体的な方向性を決めます。

ターゲット層や収益モデルを明確にすることで、効果的な展開が可能になります。

曖昧な目標ではなく、数値目標を設定することが重要です。

検討項目具体的な内容
ターゲット層年齢、性別、興味関心、消費行動パターン
収益モデルライセンス販売、自社販売、コラボのいずれか
目標設定売上目標、契約件数、認知度など
展開エリア国内のみ、海外展開を視野に入れるか

競合調査も欠かせません。

類似するIPの展開状況や価格設定を調査し、差別化ポイントを明確にします。

市場規模や成長率を把握することで、参入機会を見極められます。

権利保護と契約の準備を進める

IPビジネスを始める前に、必ず権利保護の手続きを行いましょう。

商標登録や著作権保護を怠ると、他社に模倣されるリスクがあります。

法的なトラブルを防ぐため、専門家への相談が推奨されます。

▼権利保護で必要な準備

  • 商標登録(特許庁への出願)
  • 著作権の明確化(創作物の記録保管)
  • 契約書のひな形作成(ライセンス契約、守秘義務契約など)
  • 弁護士や弁理士への相談

ライセンス契約では、使用範囲や期間、ロイヤリティ率を明確に定めます。

曖昧な契約は後々のトラブルにつながるため、細部まで詰めることが大切です。

契約書のレビューは、必ず法律の専門家に依頼しましょう。

IPビジネスで失敗しないための注意点

IPビジネスで失敗しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

特に初めて取り組む企業は、以下の点に注意しましょう。

▼IPビジネスで押さえるべき注意点

  • IPの世界観やブランドイメージを守る
  • ターゲット層との相性を見極める
  • 契約内容を曖昧にしない
  • ファンとのコミュニケーションを大切にする
  • 短期的な利益だけを追わない

最も重要なのは、IPの世界観を尊重することです。

既存ファンの期待を裏切るような展開は、ブランド価値を損なう危険があります。

営業色を全面に出しすぎると、ファンからの反感を買う可能性があります。

ターゲット層との相性も慎重に見極めましょう。

コラボやライセンス供与を行う際は、相手企業のファン層と自社IPのファン層が重なるかを確認します。

相性が悪いと、どちらのファンにも響かない結果になってしまいます。

契約内容の曖昧さは、後々の大きなトラブルにつながります。

使用範囲・期間・地域・ロイヤリティ率など、全ての条件を明確に文書化することが重要です。

口頭での約束は避け、必ず契約書に落とし込みましょう。

なぜ今IPビジネスが注目されるのか?マーケティング視点で解説

IPビジネスが注目される理由を、マーケティングの視点から解説します。

これらの要因により、IPビジネスは企業の重要な成長戦略として位置づけられています。

市場規模は世界で約53兆円|成長が続く背景

IPビジネスの市場規模は、世界全体で約53兆円に達しています。

日本国内のコンテンツ産業も約13兆円規模へと成長を続けています。

この成長を支えているのは、デジタル技術の進化とファン文化の広がりです。

市場拡大の主な要因は、動画配信サービスやSNSの普及です。

ユーザーが多くの作品に触れる機会が増え、キャラクターやコンテンツへの愛着が深まりました。

推し活文化の浸透により、ファンが自発的にお金を使う傾向が強まっています。

海外展開も市場拡大の大きな要因です。

日本のアニメやゲームは世界的に高い評価を得ており、グローバル市場での収益機会が広がっています。

デジタル技術を活用したメタバースやAR展開など、新たな収益源も生まれています。

引用元:日本貿易振興機構(JETRO)2024年レポート「2023年の世界におけるライセンス小売市場規模」経済産業省「第1回エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会」

広告費をかけずにファンが自然に広めてくれる

IPビジネスの大きな魅力は、ファンが自発的に情報を拡散してくれることです。

従来の広告と違い、ファンからの推薦は信頼性が高く、効果的に認知が広がります。

広告費を抑えながら、高い宣伝効果を得られます。

ファンの推し活は、企業にとって最高のマーケティングです。

SNSでの投稿、口コミ、レビューなど、ファンが自ら情報を発信します。

企業が広告費をかけなくても、自然な形で認知が拡大していきます。

ファンコミュニティが形成されると、さらに強固な関係が築けます。

コミュニティ内での交流を通じて、新たなファンが増えていく好循環が生まれます。

長期的な視点で見ると、広告費の削減と売上増加の両方を実現できます。

ファンが勝手に広めてくれる!

SNSやオウンドメディアとの相性が良い

IPビジネスは、SNSやオウンドメディアと非常に相性が良いビジネスモデルです。

ビジュアル性の高いコンテンツは、SNSで拡散されやすい特徴があります。

オウンドメディアを通じて、IPの世界観を深く伝えることも可能です。

媒体IPビジネスでの活用方法
SNSファンの投稿拡散、キャンペーン展開、リアルタイム交流
オウンドメディア世界観の深掘り、ストーリー展開、ファン向け情報発信
動画配信コンテンツ配信、限定映像、ファンイベント中継

SNSでは、ユーザー生成コンテンツが大きな価値を持ちます。

ファンが作成したイラストや動画が拡散されることで、IPの認知度が自然に高まります。

企業側は、ファンの創作活動を適切にサポートする体制を整えることが重要です。

オウンドメディアは、IPの世界観を深く伝える場として最適です。

キャラクターの設定資料やストーリーの裏話など、ファンが求める情報を発信できます。

SEO対策を行えば、新規ファンの獲得にもつながります。

広報・PRで話題化しやすくメディア露出につながる

IPを活用した施策は、メディアに取り上げられやすい特徴があります。

コラボイベントや限定グッズ販売などは、ニュース性が高く話題になりやすいためです。

メディア露出により、さらに認知度が向上する好循環が生まれます。

成功事例として、地方とIPのコラボが注目されています。

テーマパークとアニメキャラクターのコラボは、大きな話題を呼び来場者数の増加につながりました。

地方自治体とのコラボも、地域活性化とIPの認知拡大の両方を実現しています。

広報PRの観点では、ストーリー性のある情報発信が効果的です。

単なる商品情報ではなく、開発秘話やファンとのエピソードなど、人の心を動かす内容が重要です。

メディアが取り上げたくなるような、話題性のある仕掛けを考えましょう。

IPビジネスの展開には、戦略的な情報発信とメディア露出の獲得が不可欠です。

弊社では、広報PR支援を通じてメディア露出の獲得をサポートしております。

独自の仕組みで大手メディアからローカルメディアまで幅広く対応可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

IPビジネスに関するよくある質問

IPビジネスを検討する際に、よく寄せられる質問に回答します。

これらの疑問を解消して、自社での取り組みを検討してみてください。

収益が出るまでの期間はどれくらい?

収益が出るまでの期間は、IPの認知度や展開方法によって大きく異なります。

既に一定の知名度があるIPであれば、比較的早く収益化できる可能性があります。

新規のIPを育てる場合は、数年単位での取り組みが必要です。

展開方法収益化までの期間目安
ライセンス販売(既存IP)3ヶ月〜1年程度
自社グッズ販売(既存IP)6ヶ月〜1年程度
新規IP育成2〜3年以上
コラボ企画3ヶ月〜6ヶ月程度

重要なのは、短期的な利益を追わないことです。

IPビジネスは資産を育てるビジネスモデルのため、長期的な視点で取り組む必要があります。

焦らず、ファンとの信頼関係を築きながら進めることが成功への近道です。

中小企業でもIPビジネスは始められる?

中小企業でもIPビジネスは十分に始められます。

むしろ、小回りが利く中小企業の方が、柔軟な展開ができる場合もあります。

規模に関わらず、自社の強みを活かした取り組みが可能です。

中小企業がIPビジネスを始める際のポイントは、無理のない範囲で始めることです。

最初から大規模な展開を目指すのではなく、小さく始めて徐々に拡大していく戦略が効果的です。

ECサイトでの限定グッズ販売や、地域企業とのコラボなど、低コストで始められる方法もあります。

資金面での不安がある場合は、他社IPとのコラボから始めるのも一つの手です。

人気IPとコラボすることで、初期投資を抑えながら話題性を生み出せます。

自社商品の認知度向上にもつながり、将来的な自社IP育成の足がかりになります。

小さく始めて大きく育てる!

IPビジネスで収益化を成功させるために大切なこと

IPビジネスで収益化を成功させるには、計画的な準備と長期的な視点が不可欠です。

▼本記事のポイント

  • IPビジネスは知的財産を活用して収益を得るビジネスモデル
  • ライセンス販売・自社販売・コラボの3つの方法がある
  • 世界観の尊重とファンとの信頼関係構築が成功のカギ

これらのポイントを押さえて、自社のIPビジネス展開を検討してみてください。

IPビジネスの展開には、効果的な認知拡大と継続的な情報発信が欠かせません。

弊社では、企業のマーケティング戦略全般を包括的にサポートしております。

戦略設計から実行支援、効果測定まで一貫して対応いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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