ファーストペンギンという言葉は米国で敬意を込めて使われ、NHKドラマ「あさが来た」をきっかけに日本でも広く認知されるようになったビジネス用語です。
▼今回の記事でわかることは・・・
- ファーストペンギンの意味・由来と代表的な事例
- ファーストペンギンとセカンドペンギンの違いと相互補完の関係
- ファーストペンギンは先行者利益とリスクの両面を持つ
ファーストペンギンの正しい意味とビジネスでの活用方法を具体的な事例とともに解説します。
新規事業の立ち上げやマーケティング戦略でお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社では、市場調査から戦略立案まで、費用対効果の高いマーケティング施策をご提案しております。
目次
ファーストペンギンとは
ファーストペンギンとは何か、その意味を正しく理解しているでしょうか。
ビジネスシーンで頻繁に使われるこの言葉ですが、由来となるペンギンの習性を知ることで、より深い理解につながります。
ここでは、ファーストペンギンの語源とビジネスでの使い方を解説します。
ペンギンの習性が語源
ファーストペンギンの語源は、集団で行動するペンギンの習性にあります。
ペンギンの群れにはリーダーが存在せず、最初に動いた1羽に他のペンギンが追従するという特徴があるのです。
海中にはシャチやヒョウアザラシなどの天敵がいる可能性があるため、最初に飛び込む1羽はリスクを負う代わりに、誰よりも先にエサを獲得できるチャンスを得られます。
この勇敢な最初の1羽を「ファーストペンギン」と呼び、ビジネス用語として転用されるようになりました。
ビジネスでの意味と使い方
ビジネスにおけるファーストペンギンとは、リスクを恐れず未開拓の分野に挑戦する人や企業を指します。
ベンチャー企業の創業者や、新しい価値観・技術の開発にチャレンジする人材に対して、敬意を込めて使われる言葉です。
日本では2015年のNHK連続テレビ小説「あさが来た」で、ディーン・フジオカ演じる五代友厚が主人公をファーストペンギンと呼んだことで広く認知されました。
米国では幼少期から「人と同じではなく、ファーストペンギンを目指しなさい」という教育が行われており、起業家精神を象徴する言葉として定着しています。
ファーストペンギンの代表例
ファーストペンギンの代表例として、以下の人物が知られています。
| 人物 | 事例 |
| スティーブ・ジョブズ | 1977年に個人向けコンピュータの大量生産に乗り出した |
| 三木谷浩史 | インターネット通販が一般的でなかった1997年にECモール「楽天市場」を創設 |
| 広岡浅子 | 明治時代に炭鉱業や銀行、生命保険、日本初の女子大学設立に尽力 |
ファーストペンギンとセカンドペンギンの違い
ファーストペンギンと対になる概念として、セカンドペンギンという言葉があります。
両者の違いを理解することで、自社がどちらの戦略を取るべきか判断しやすくなるでしょう。
ここでは、セカンドペンギンの特徴とファーストペンギンとの関係性を解説します。
セカンドペンギンの役割
セカンドペンギンとは、ファーストペンギンが海に飛び込んだ後に続く2羽目以降のペンギンを指します。
ビジネスにおいては、先行者の動向を確認してから市場に参入する企業や人材のことです。
ファーストペンギンの成功・失敗を分析し、リスクを把握した上で戦略的に参入できる点が特徴と言えるでしょう。
セカンドペンギンの事例
セカンドペンギンの代表例として、携帯電話事業に後発参入したソフトバンクが挙げられます。
先行者の戦略を分析した上で独自のプランを展開し、大きなシェアを獲得しました。
また、検索エンジン市場ではGoogleが後発ながら、先行者の課題を改善することで圧倒的なシェアを獲得した事例としても知られています。
相互補完の関係
ファーストペンギンとセカンドペンギンは、相互補完の関係にあります。
ファーストペンギンが市場を切り開き、セカンドペンギンがそれを拡大・発展させることで、はじめて市場は成熟するのです。
どちらが優れているということではなく、両者が存在することで健全な市場競争が生まれます。
自社の強みや資金力を考慮し、どちらの立場で市場に参入するかを戦略的に判断することが重要でしょう。
セカンドペンギンがいないとどうなる?
セカンドペンギンがいなければ、市場の継続性や成熟は起こりません。
ファーストペンギンが新市場を開拓しても、後に続く企業がいなければ競争が生まれず、市場は発展しないのです。
セカンドペンギンが参入することで価格競争やサービス向上が促され、消費者にとってもメリットが生まれます。
つまり、価値あるサービスを社会に定着させるには、ファーストペンギンだけでなくセカンドペンギンの存在も不可欠なのです。
ファーストペンギンは先行者利益とリスクの両面を持つ
ファーストペンギンとは、リスクを恐れず未開拓の分野に挑戦する人や企業を指すビジネス用語です。
先行者利益として市場シェアやマインドシェアを獲得できる一方、参考事例がないことによるリスクも存在します。
また、セカンドペンギンとの相互補完関係を理解し、自社がどちらの立場で市場に参入するかを戦略的に判断することが重要です。
新規事業の立ち上げやマーケティング戦略でお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社のメグサポでは、市場調査から戦略立案、実行支援まで一貫してサポートし、費用対効果の高いマーケティング施策をご提案しております。