採用面接単価の計算と把握により、採用コストを最適化できます。
▼今回の記事でわかることは・・・
- 面接単価の計算方法と雇用形態別の平均相場
- 採用コストを下げる具体的な5つの施策
- 採用単価を最適化しながら質の高い人材を採用する方法
本記事を読めば、自社の採用コストを見直すポイントが明確になります。
採用コストの最適化や効果的な母集団形成でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社では、求人媒体の運用代行から採用戦略の設計まで包括的な採用支援を行っております。
実際に広告費を抑えながら応募者数を大幅に増やし、効率的な採用活動を実現した実績があります。
面接単価の計算方法
面接単価を正しく計算することで、採用活動の効率性が可視化できます。
これらのポイントを押さえて、自社の採用コストを見直してみてください。
面接単価の計算式(面接関連コスト÷面接実施人数)
面接単価は、面接関連コスト÷面接実施人数で計算できます。
面接関連コストには、面接官の人件費や会場費などが含まれます。
▼面接関連コストの主な内訳
- 面接官の人件費
- 会場費・設備費
- 交通費・宿泊費の支給
- 適性検査費用
面接官の人件費は、年収÷年間労働時間(約1,800時間)×面接時間×面接官人数で算出します。
例えば年収600万円の面接官2名が1時間面接を行う場合、1回あたり約6,700円のコストがかかります。
面接単価を把握すべき理由
面接単価の把握により、採用活動の無駄を発見できます。
面接を多く実施しても採用に至らない場合、選考基準や母集団形成に課題がある可能性があります。
| 把握するメリット | 詳細 |
| 費用対効果の可視化 | 面接コストと採用成果のバランスを確認できる |
| 選考プロセスの改善 | 面接回数や選考フローを最適化できる |
| 予算立案の精度向上 | 過去実績から適切な採用予算を設定できる |
| 採用手法の見直し | 効果の低い採用チャネルを特定できる |
面接単価が高い場合は、選考フローの見直しや採用手法の変更を検討しましょう。
面接コストも採用効率に直結!
面接単価と採用単価の違い
面接単価と採用単価は、測定する範囲が異なります。
面接単価は面接にかかるコストのみを測定しますが、採用単価は採用活動全体のコストを測定します。
| 項目 | 面接単価 | 採用単価 |
| 計算式 | 面接関連コスト÷面接実施人数 | 採用コスト総額÷採用人数 |
| 測定範囲 | 面接に関するコストのみ | 採用活動全体のコスト |
| 含まれるコスト | 面接官人件費、会場費など | 求人広告費、人材紹介手数料、内部コストなど |
採用単価は面接単価よりも広い範囲のコストを含むため、両方を把握することで採用活動全体の効率性を評価できます。
採用活動の最適化には、面接単価と採用単価の両方を定期的に測定することが重要です。
【雇用形態別】採用単価の平均相場
採用単価の相場を把握することで、自社の採用効率を客観的に評価できます。
自社に当てはまるかチェックしてみてください。
新卒採用の平均単価(72〜93万円)
新卒採用の平均単価は、71.5万円から93.6万円です。
リクルート就職白書2020によると、新卒採用単価は2018年度71.5万円から2019年度93.6万円へと約31%増加しています。
| 年度 | 新卒採用単価 | 前年比 |
| 2018年度 | 71.5万円 | – |
| 2019年度 | 93.6万円 | +31% |
採用単価には、求人広告費や人材紹介手数料などの外部コストと、採用担当者の人件費や面接官の人件費などの内部コストが含まれます。
新卒採用では、説明会や選考イベントの開催費用も大きな割合を占めます。
引用元:リクルート就職白書2020
中途採用の平均単価(85〜103万円)
中途採用の平均単価は、83.0万円から103.3万円です。
新卒採用と比較して、中途採用の方が約12万円から10万円高い傾向にあります。
| 年度 | 中途採用単価 | 前年比 |
| 2018年度 | 83.0万円 | – |
| 2019年度 | 103.3万円 | +24% |
中途採用では即戦力人材の需要が高く、人材紹介サービスを利用する企業が多いことが単価上昇の要因です。
人材紹介サービスの手数料は、年収の30%から35%が相場となっています。
引用元:リクルート就職白書2020
企業規模別の採用単価相場
企業規模によって、採用単価は大きく異なります。
上場企業と非上場企業では、採用コスト総額に約3倍の差があります。
| 企業区分 | 新卒採用コスト総額(平均) | 求人広告費(平均) |
| 上場企業 | 約772万円 | 390万円 |
| 非上場企業 | 約267万円 | 124万円 |
中途採用では、従業員数によって一人当たりの採用単価が変動します。
| 企業規模(従業員数) | 一人当たり採用単価 |
| 3〜50名 | 21.4万円 |
| 51〜300名 | 40.4万円 |
| 301〜1,000名 | 35.9万円 |
| 1,001名以上 | 44.6万円 |
企業規模が小さいほど採用単価は低くなりますが、採用リソースが限られるため効率的な採用活動が求められます。
自社の規模に応じた適切な採用手法を選択することが重要です。
引用元:リクルート就職白書2020、マイナビ中途採用状況調査2024
規模に合った採用戦略がカギ!
採用コストの管理や予算配分でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社では、企業規模や予算に応じた最適な採用戦略の設計を支援しております。
限られた予算でも効果的に母集団を形成し、質の高い人材を採用できる仕組み作りをサポートいたします。
採用コストを下げる5つの施策
採用コストを下げるには、効果的な採用手法の選択と業務効率化が重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①Indeed運用で応募単価を下げる
求人検索エンジンの運用により、採用単価を大幅に削減できます。
厚生労働省の調査によると、求人広告の平均採用単価は正社員で約10万円から30万円です。
一方、求人検索エンジンを効果的に運用することで、採用単価を約5万円程度に抑えられるケースがあります。
▼求人検索エンジンのメリット
- 無料掲載が可能で初期コストを抑えられる
- 有料広告でも費用対効果が高い
- 求職者の検索行動に合わせて表示される
- 応募数を短期間で増やせる
求人検索エンジンでは、クリック課金制を採用しているため、無駄な広告費を削減できます。
運用のポイントは、求人原稿の質を高めることと、適切な予算配分を行うことです。
広告費を抑えながら応募増加!
②ダイレクトリクルーティングで紹介手数料を削減する
ダイレクトリクルーティングにより、人材紹介サービスの手数料を大幅に削減できます。
人材紹介サービスの採用単価は正社員で約85.1万円、手数料率は年収の30%から35%が相場です。
| 採用手法 | 採用単価(年収500万円の場合) |
| 人材紹介 | 約150万円から175万円 |
| ダイレクトリクルーティング(成功報酬型) | 約75万円から100万円 |
ダイレクトリクルーティングでは、企業が直接候補者にアプローチするため、紹介手数料を半額程度に抑えられます。
データベースから自社に合った人材を検索し、スカウトメールを送信する仕組みです。
成功報酬型と定額型があり、採用人数が多い場合は定額型の方がコスト効率が高くなります。
引用元:厚生労働省「令和3年度 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書」
③リファラル採用で外部コストを削減する
リファラル採用により、外部コストをほぼゼロに抑えられます。
リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人を紹介してもらう採用手法です。
| 採用手法 | 正社員の採用単価 |
| 人材紹介サービス | 約85.1万円 |
| 求人広告 | 約10万円から30万円 |
| リファラル採用 | 約4.4万円 |
リファラル採用の採用単価は約4.4万円で、人材紹介サービスの約20分の1のコストです。
紹介者への報酬相場は1万円から9万円が最も多く、企業の約46.9%がこの範囲で設定しています。
▼リファラル採用のメリット
- 外部コストをほぼゼロに抑えられる
- 入社後の定着率が高い
- 社風に合った人材を採用しやすい
- 採用活動の期間を短縮できる
リファラル採用で成果を出すには、社員が紹介しやすい仕組み作りが重要です。
報酬制度の整備や紹介キャンペーンの実施が効果的です。
引用元:厚生労働省「令和3年度 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書」、エン・ジャパン「リファラル採用意識調査」
④採用サイト・オウンドメディアで母集団を形成する
採用サイトやオウンドメディアの活用により、継続的に母集団を形成できます。
自社HPからの直接応募は採用単価が約2.8万円で、SNS経由では約0.9万円と非常に低コストです。
| 採用手法 | 正社員の採用単価 |
| 人材紹介サービス | 約85.1万円 |
| 自社HP直接応募 | 約2.8万円 |
| SNS経由 | 約0.9万円 |
採用サイトやオウンドメディアは資産として蓄積されるため、長期的なコスト削減につながります。
▼採用サイト・オウンドメディアのメリット
- 初期投資後は低コストで運用できる
- 企業文化や働き方を詳しく伝えられる
- SEO対策で継続的に応募者を獲得できる
- ミスマッチを防ぎ定着率を向上できる
効果が出るまで半年程度かかるため、長期的な視点での取り組みが必要です。
コンテンツの質を高めることで、求職者の志望度を高められます。
引用元:厚生労働省「令和3年度 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書」
⑤採用業務の効率化でインコストを削減する
採用業務の効率化により、内部コストを大幅に削減できます。
採用単価の約30%は内部コストが占めており、採用担当者や面接官の人件費が大きな割合を占めています。
▼採用業務効率化の主な方法
- 採用管理システム(ATS)の導入
- オンライン面接の活用
- 選考フローの見直し
- 応募者管理の自動化
採用管理システムを導入することで、複数の求人媒体からの応募者情報を一元管理できます。
応募者への連絡漏れを防ぎ、選考スピードを向上させることで、優秀な人材の取りこぼしを防げます。
オンライン面接の活用により、面接官の移動時間や交通費を削減できます。
選考フローを見直し、面接回数を最適化することで、面接コストを削減できます。
採用コストの最適化や効率的な母集団形成でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社では、採用媒体の運用支援から採用サイトの構築まで包括的な採用戦略の設計を行っております。
採用単価に関するよくある質問
採用単価に関する疑問を解消することで、適切な採用戦略を立てられます。
ぜひ参考にして、効果的な施策を実践してください。
採用単価が高くなる原因は?
採用単価が高くなる主な原因は、労働市場の変化と採用活動の非効率性です。
厚生労働省の調査によると、2024年の有効求人倍率は1.25倍で、依然として売り手市場が続いています。
▼採用単価が高くなる主な原因
- 少子化による労働人口の減少
- 売り手市場の継続で人材獲得競争が激化
- 即戦力人材の需要増加で紹介手数料が高額化
- 採用活動の長期化でコストが増加
- 効果の低い採用手法を継続している
- ミスマッチによる早期離職で再採用が必要になる
特にミスマッチによる早期離職は、採用コストを無駄にする最大の原因です。
新卒採用単価93.6万円の人材が3ヶ月で離職した場合、採用コストに加えて給与や育成コストも含めると200万円以上の損失になります。
採用単価を最適化するには、効果的な採用手法の選択とミスマッチ防止が重要です。
引用元:厚生労働省「一般職業紹介状況」、リクルート就職白書2020
採用単価を下げすぎると質が下がる?
採用単価を下げすぎることで、採用品質が低下するリスクがあります。
重要なのは、採用コストの最適化であり、無理な削減ではありません。
| 状況 | 結果 |
| 採用単価が高い | 必ずしも採用品質が高いとは限らない |
| 採用単価を過度に削減 | 母集団の質が低下しミスマッチが増加 |
| 採用単価を最適化 | コストと品質のバランスが取れる |
採用コストを削減する際は、母集団の質を維持しながら効率化することが重要です。
▼品質を維持しながらコストを最適化する方法
- カジュアル面談や適性検査でミスマッチを防止する
- 採用ターゲットを明確化しペルソナを設計する
- オンライン面接で選考プロセスを効率化する
- 採用手法の効果測定を行い最適化する
- リファラル採用で低コスト・高マッチ率を実現する
質の高い採用活動を維持しながらコストを削減することで、長期的な採用成功につながります。
コストと質のバランスが重要!
Indeed運用で採用単価はどれくらい下がる?
求人検索エンジンの運用次第では、採用単価をガクッと抑えられます。
| 採用手法 | 採用単価 | コスト削減効果 |
| 求人広告 | 約10万円から30万円 | – |
| 求人検索エンジン | 約5万円 | 約50%から83%削減 |
求人検索エンジンの導入事例では、採用単価を約60%削減し、3年後には採用コスト全体が約4分の1に減少したケースがあります。
効果を最大化するポイントは、求人原稿の質を高めることと適切な予算配分です。
求人検索エンジンはクリック課金制のため、応募につながらない無駄な広告費も削減も可能になります。
採用単価を下げながら質の高い人材を採用するために大切なこと
採用単価を最適化するには、効果的な採用手法の選択とミスマッチ防止が不可欠です。
▼本記事のポイント
- 面接単価と採用単価を把握し採用活動を可視化する
- 雇用形態別・企業規模別の相場を理解し自社と比較する
- 低コストで効果的な採用手法を組み合わせて実践する
これらのポイントを押さえて、自社の採用戦略を見直してみてください。
採用コストの最適化や効果的な採用戦略でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社では、採用媒体の運用代行から採用サイトの構築、採用戦略の設計まで一貫した採用支援を行っております。